結成10周年を飾る6作目は、表題通りに〈夜〉をモチーフにした楽曲が多い。ブルーな哀感を強めた、滑らかでメロウなサウンドはR&Bやボサノヴァの影響も感じさせる。さりげないフックやトリックをアコギやストリングス、コーラスワークで包み込む一方、荒っぽく前衛的な“晩生”が痛快だ。男女それぞれの目線から描かれる、儚くて報われない恋愛模様には、このバンドならではの甘美な痛みがより濃密に沁み込んでいる。