アーティストが自身の本名を冠した作品は往々にして集大成的な内容になるが……ますますラップにこだわらず純粋なグッド・ミュージックへ振り切った本作は、彼のやってきた音楽が独自の境地に辿り着いたといえる快作だ。“Novacandy”の彼らしいメランコリックなムードから、XTCかREMかと思うようなキャッチーな楽曲まで、全編にポップネスが充満している。