INTERVIEW

80KIDZ 『FACE』 Part.1

独立独歩のデュオが示したネクスト・フェイズ。そこからは、彼らの根幹を形成したある時代のフェイスが次々と浮かび上がってきて――

80KIDZ 『FACE』 Part.1

 インディー・ロックをルーツに、その衝動性をダンス・ミュージックに反映させたソウルワックスジャスティスらと共振し、エレクトロ・シーンに斬り込む形で登場した80KIDZ。その後、シーンが細分化していくなかで、彼らはルーツにあるロック感覚やメロディーに回帰。以降も試行錯誤が続いていた。

 「ファーストの『This Is My Shit』、セカンドの『WEEKEND WARRIOR』はエレクトロの盛り上がりのなかで、自分たちとしては同じようなテンションで作った作品なんですね。ただ、その後、打ち込みをバンド・スタイルでやる手法に飽きたということもあるし、エレクトロが細分化していくなかで、サードの『TURBO TOWN』では自分たちのルーツであるロック・サイドを見せる内容に向かったんです」(JUN)。

 「そして、去年の年末にコンピ『80:XX-01020304』にまとめた配信EPの〈80〉シリーズは、ダンス・フロアでプレイできるトラックに特化したコンセプトありきのプロジェクトですよね。『TURBO TOWN』の曲はDJの現場でプレイしづらかったこともあったんですけど、その時々の興味に振り切ったダンス・ミュージックを発表する〈80〉シリーズという場を設けたことで、今回は最先端の尖ったことをやろうと無理せずに、自分たちがもともと持っていたものを磨きながら、地に足が付いた作品を作りたいなと思えるようになったんです」(ALI&)。

80KIDZ FACE AWDR/LR2(2014)

 そして、『TURBO TOWN』から2年半。彼らが辿り着いた新たなオリジナル・アルバム『FACE』は、2人が多感な時期を過ごしていた90年代後半から2000年代初頭の音楽シーン、ロックとクラブ・ミュージックが未分化のまま同居していたムードに触発された作品である。

 「ある時のDJでケミカル・ブラザーズの“Galvanize”をかけたら、フロアにいた20代前半の子たちはキョトンとしてて。だから、それ以前の曲をかけたらイケるかもなと思って、昔の作品を聴き直したら、最近のブレイクビーツと相性が良かったんです。“Into The Sun”は、その時の経験を元に作られたサイケデリックなブレイクビーツですね。ベンジャミン・ダイアモンドをフィーチャーした“I Got a Feeling”もそう。彼が最初に登場した90年代のフレンチ・ハウスがここにきて、また新鮮に響くようになってきているし、EDMで盛り上がるのもいいんですけど、若い子にはディープなトラックだったり、綺麗なピアノのワンフレーズや素敵なヴォーカルが乗ったBPM120くらいの気持ち良いグルーヴで踊る楽しみも知ってほしいんですよね」(ALI&)。

【参考動画】ケミカル・ブラザーズの2005年作『Push The Button』収録曲“Galvanize”

 

 ロンドンの女性シンガー・ソングライター、ロニカを迎えたニューディスコ・チューン“Don't Wait Up”や、ケヴィン・サンダーソンのパートナーにしてデトロイト・テクノ御用達のヴォーカリスト、アン・サンダーソンをフィーチャーしたジャズ・ハウス“Gen X”。さらにはインディーR&Bマナーの“Dusk”に、神戸のロック・バンド、BERSERKER CHILDREN CLUBKazuki Satoをフィーチャーしたメロウかつブルージーなダウンテンポ“Something In The Way”など、本作収録の全12曲は幅広いダンス・ミュージックのサブ・ジャンルをカヴァーしながら、メロディー・オリエンテッドなトラックがリスニング指向の作品へと結実している。

 「今回は、携帯プレイヤーに入れて、通勤通学の時間に聴けるような作品であってほしかったので、アレンジされたポップスとしての聴きやすさにこだわりましたね。そういうシチュエーションでテンションをガンガン上げたい人もいるとは思うんですけど、このアルバムのように、さらっと歌が始まって、気持ち良く学校や仕事に行けるような、そんな作品があってもいいんじゃないですかね?」(JUN)。 

 

 

 

▼『FACE』に参加したアーティストの作品を一部紹介

左から、ベンジャミン・ダイアモンドの2008年作『Cruise Control』(Diamond Traxx)、デヴィッド・E・シュガーの2010年作『Memory Store』(Sunday Best)、ジャミールの2012年作『Symbol』(Irma)、BERSERKER CHILDREN CLUBの2013年作『MCMLXXXIX』(PARK)
※ジャケットをクリックするとTOWER RECORDS ONLINEにジャンプ

 

▼80KIDZの近作

左から、2010年作『WEEKEND WARRIOR』、2012年作『TURBO TOWN』(共にKidz Rec./KSR)、2013年作『80:XX - 01020304』(PARK)
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