ヴァンスカにはラハティ響との素晴らしいシベリウス交響曲全集がある。しかし、現音楽監督を務めるミネソタ管との再録音全集も忘れてはならないと強く思わせてくれた。運営上の問題で楽団が揺れ、ヴァンスカは2013年に一旦音楽監督を辞任した。身を切りながらも問題を乗り越えたミネソタ管との再契約が成り、ついに実現したのがこの完結編となるセッション。先行の2作は旺盛な表現意欲に満ちた快演だった。当盤では、内奥からの深い感興に支えられたサウンドが3曲に通底し、シンプルに胸を打つ(特に単一楽章の第7番!)。音楽家たちがシベリウスを奏でることの心からの喜びに触れさせてくれる一枚だ。