BLOOD IS THICKER THAN WATER
[ 緊急ワイド ] 血は水よりも濃し
どうしてこんなに息がピッタリなのかって? それは同じ屋根の下で、同じ物を食べ、同じ音楽を聴いて育ったから。お互いを知り尽くした兄弟姉妹グループならではの、調和の取れたアンサンブルが悪いわけないよ!

★Pt.1 IBEYI『Ash』
★Pt.2 KITTY DAISY & LEWIS『Superscope』
★Pt.4 SPARKS『Hippopotamus』
★Pt.5 THE CRIBS『24-7 Rockstar Shit』
★Pt.6 いま巷を騒がせる血縁グループはこれだ!

 


THE LEMON TWIGS
カラフル&めまぐるしい展開で魅せるダダリオ兄弟のサウンド・マジック

 今年2月の初来日公演に続き、〈フジロック〉でも驚異的な演奏スキルと身体能力でオーディエンスを沸かせまくった、NYのダダリオ兄弟によるロック・デュオ=レモン・ツイッグス。若き日のジャクソン・ブラウンを思わせる落ち着いた風貌の兄ブライアンと、性別を超越したファッションでグラム・ロック時代のデヴィッド・ボウイにも似たカリスマを放つ弟マイケル(共にまだ10代!)という、タイムマシーンに乗ってやって来たようなルックスもインパクト大ながら、その音楽性は見た目以上にカラフルだ。ちなみに、兄弟の名前はビーチ・ボーイズのメンバーから取られたとのことで、ロック好きの両親のもと、さぞかし素晴らしい英才教育を受けて育ったのだろう。

 そんな彼らが昨年に4ADより発表したデビュー作『Do Hollywood』は、フォクシジェンの頭脳として知られるジョナサン・ラドーのプロデュース。狂おしくも美しいドゥワップ仕立てのラヴソング“I Wanna Prove To You”に始まり、SNS世代の感情を綴った詞世界とサイケデリックな転調がクセになる“These Words”、サーカスの一座みたいに賑やかでハチャメチャなバロック・ポップ“Those Days Is Comin' Soon”など、ひとつの曲の中に複数のパンチラインを持つドラマティックな構成が、ビートルズからトッド・ラングレン、ビッグ・スターやアリエル・ピンクまでを引き合いに絶賛されたことは記憶に新しい。

 

THE LEMON TWIGS Do Hollywood +6 BEAT(2017)

 今回その『Do Hollywood』が最新EP『Brothers Of Destruction』を丸ごと加え、日本限定でリパッケージ(EPのタイトルがWWEのタッグ・チームに由来するかどうかは不明)。ライヴのレパートリーとしてもお馴染みな“Why Didn't You Say That?”、終盤でサイレンやマシンガンの音がけたたましく鳴り響く“Night Song”、そして兄弟の一糸乱れぬハーモニーをスラックキー・ギターやウクレレでハワイアン・テイストに味付けした“Light And Love”ほか、EPの全6曲にも驚きのアイデアと珠玉のメロディーが散りばめられている。本人たちも〈『Do Hollywood』時代の最終章だよ〉とコメントしているだけに、これは何が何でもチェックすべきです。