INTERVIEW

ニア・フェルダー インタヴュー―愛機であるメキシコ製のフェンダー・ストラトキャスターで表現する多面的な世界

写真提供/COTTON CLUB 撮影/ 米田泰久

トラッドな楽器で表現する多面的な世界

 現在注目度ナンバー・ワンのトランぺッターのひとりであるキーヨン・ハロルドが、1月末から2月初めにかけて行ったコットン・クラブでの公演で来日したニア・フェルダーは、パット・メセニー、カート・ローゼンウィンケルに続く世代を担う、82年生まれのギタリストだ。ジョン・メイヤーからエスペランサ、ダイアナ・クラール、チャカ・カーンまで、様々な大物アーティストとも共演する彼が2014年に発表した初リーダー作の『Golden Age』では、アーロン・パークスやネイト・スミス、マット・ペンマンといった、それぞれの担当楽器における先進的なミュージシャンを起用し、フォーキッシュな“Lights”や“Code”、高度に洗練されたジャズ・チューンの“Ernest / Protector”や“Memorial”、ジャジーなコードに乗せたポップなメロディが印象的な“Bandits II”など、多彩な音楽を創り上げている。

 「このアルバムには、音楽家としての多面的な個性が表れていると思う。僕はロックン・ロールもジャズも両方聴いて育ったし、音楽をやる時に自分の中にある要素のどれも排除するつもりはないからね。ジャズが好きになったのはロックよりも少し後のことだけれど、ジャズを始めたからと言ってロックをやめたわけじゃなかった。最初の頃は〈ギターじゃその音楽はできない〉とか、〈あの音楽とこの音楽を混ぜるのは間違ってる〉とか言われたけれどね(笑)」

 楽曲と同様、彼がギターで創り出すサウンドも多面的だ。彼の愛機は13歳の時に初めて買ったメキシコ製のフェンダー・ストラトキャスターで、これ1本でパット・メセニーやウェス・モンゴメリーのようなアーチトップ・ギターのサウンドから、深く歪んだポスト・ロック風のサウンド・エフェクトまで、全てをまかなっている。ジャズをやるならアーチトップ・ギターが必用だとみんなに言われて探したが、気に入った楽器が見つからず、とりあえずこのギターを使い続けるうちに、だんだん〈自分の声〉になっていったという。サウンド面で彼の手本になったのは、やはりストラトキャスターを愛用したスティーヴィー・レイ・ヴォーンだそうだ。彼のオリジナル曲も、思い浮かんだアイディアをこのギターを使って再現する方法を探る形で作られたものが多い。

 「実は、今年は新作を発表するつもりでいるんだ。1枚じゃ収まりきらないぐらいの曲を書いたから、2枚出すことになるかもしれない。音楽的には『Golden Age』の延長線上と言えるだろうけれど、作品としてはより良いものになっていると思うし、びっくりするようなこともたくさんやっているよ」

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