INTERVIEW

ジュリアン・ラージ『Modern Lore』 古いけれど新しい。全曲オリジナル・ナンバーで固めグルーヴを前面に押し出したトリオ第2弾

写真提供/COTTON CLUB 撮影/山路ゆか

古いけれど新しい。グルーヴを前面に押し出したトリオ第2弾

 現在、世界で最も注目を浴びるジャズ・ギタリストのひとり、ジュリアン・ラージ。2016年にスコット・コリー(ベース)、ケニー・ウォルセン(ドラムス)と組んだ『Arclight』では全編にわたってテレキャスターを弾いてファンを驚かせたのも記憶に新しいが、早くもトリオ第2作『Modern Lore』が届けられた。

JULIAN LAGE Modern Lore Mac Avenue Records(2018)

「前作はカヴァー曲中心だったけど、今回は全てオリジナル。楽しくて気持ちよくて、ちょっぴり官能的で。自分が聴いて楽しめるアルバムになったし、この2枚でひとつのサウンドを確立できたと思う」

 ギターはもちろんテレキャスター。エッジの効いたリフから甘いトーンでの艶やかなソロまで、ラージはこのギターが自身の新たなトレードマークとなったことを高らかに宣言するがごとく弾きまくる。

 そして特筆すべきは、3人が一体となって紡いでいくブルージーでソウルフルなグルーヴ。このうねりが生み出す、太陽の光が降り注ぐような明るさとメランコリックな陰影のコントラストが絶妙で、あっという間に全11曲を聴き終わってしまう。なんて躍動的で、幸福な音楽なのだろう。彼が志向するアメリカのルーツ音楽は元来ダンス・ミュージックだったのだと改めて教えてくれるようだ。

 このトリオの他、インプロヴィゼーションの可能性を探るネルス・クライン(ウィルコ)とのデュオ、アパラチアン・ミュージックを追究するクリス・エルドリッジ(パンチ・ブラザーズ)とのアコースティックなデュオなど、多彩な活動を行っているラージ。その姿は、アメリカ音楽という壮大なパズルのピースをひとつひとつ集めているようにも思える。

「アメリカのネイティヴな音楽の流れを理解する過程で、古い音楽に惹かれるんだけど、僕がやっているのはビ・バップでもないし、スイングでもフリー・ジャズでもない。定義付けがとても難しいから逆に新しいともいえるんじゃないかな」

 取材は昨年11月、クリス・エルドリッジとのデュオで来日した際に行ったのだが、今年はトリオでの来日が待たれるところ。

「日本のオーディエンスは音楽をしっかり聴いてくれるから、僕たちも最高な演奏ができるんだ。次にトリオでやってくるときは、アルバムの曲はもちろん、さらに新しい曲を披露するかもしれないよ。楽しみにしていてほしいな」

 今後は、さまざまなアーティストとコラボレートして得たものを、自らの音楽として昇華させていきたいというラージ。ステージではさらに進化した彼の姿が見られるはずだ。

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