鋼鉄連載〈OSHIETAL〉の時間だぜ! 今月は話題のスラッジ・メタル集団、ザウをオシエタル! 2005年にルイジアナで産声を上げるや、重苦しいサウンドと極悪非道の咆哮で瞬く間にアンダーグラウンド・シーンを牛耳っていく。そして、アンビエント風味を仄かに効かせた2014年の4作目『Heathen』がPitchforkの〈年間ベスト・ベスト・メタル〉に選ばれたことで、メタル畑の外でも急激に知名度を上げ、その勢いに乗ってボディとのポスト・インダストリアル盤『You, Whom I Have Always Hated』(2015年)をダメ押しリリース。オシャレなインディー層もいまやすっかり彼らの虜というわけだ。

THOU Magus Sacred Bones/HOSTESS(2018)

 そんななか、3枚のコンセプトEPを挿んでセイクレッド・ボーンズ移籍作となる4年ぶりのフル・アルバム『Magus』がお目見え! 『Heathen』での内にこもったダークさを保ちながら、重厚なギター・リフとデス声を強化し、救いようがないほどドロドロの音世界を展開しているじゃないか! 演奏の厚みはアリス・イン・チェインズ級で、全体に漂う途轍もない怒り/悲壮感は初期のニューロシスやアイシスと通じるもの。ついでに、ボディ譲りのドローンもどエライことになっていて……この物凄い衝撃度を湛えた一大カオス盤に、俺の鼓膜は嬉しい悲鳴を上げているぜ! とにかく、数あるスラッジ/ドゥーム作品のなかでも音圧の強さはピカイチ! つまりはザウの轟音を浴びずして、メタルをカタルべからずなのだ!