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部室に置かれたキャンパス・ノートを覗き見しちゃいましょう!

MARK STEWART & THE MAFFIA Learning To Cope With Cowardice/The Lost Tapes Mute/TRAFFIC(2019)

 前置きなしに最近のお気に入り盤を紹介するぜ! まずはマーク・スチュワート&ザ・マフィアの『Learning To Cope With Cowardice/The Lost Tapes』(Mute/TRAFFIC)から。エイドリアン・シャーウッドがプロデュースを、クリエイション・レベルがバックを務めたマークの初のソロ作『Learning To Cope With Cowardice』(83年)に、長らく紛失されていたという当時のレコーディング・セッションを10曲も追加! 緻密なスタジオ・ワークによる鋭利なダブワイズはポップ・グループ時代をも凌ぐ破壊力で、興奮しまくりのお宝だぜえ!

JODI Pop Espontaneo Out-Sider/ritmo calentito(2018)

 続いては60年代末~70年代中期に活動していたパラグアイのオブスキュア・サイケ・バンド、ジョディの未発表音源集『Pop Espontaneo』(Out-Sider/ritmo calentito)。中期ビートルズっぽいポップなサウンドに、ドアーズやMC5の攻撃性とクラウトロックの実験性を加味したような、グチャグチャした自由奔放さがおもしろいの何のって!

PLEASE Manila Thriller Telefunken/Big Pink(2018)

 お次はドイツを拠点としていたフィリピン生まれのファンキー・ロック集団、プリーズの76年作『Manila Thriller』(Telefunken/Big Pink/ヴィヴィド)だ。コミック・バンドのようなジャケとは裏腹に、ブラスも交えた本格的なアッパー・ファンクやメロウ・チューンが目白押しで、レア・グルーヴ好きから昨今のネオAORファンまでを虜にすること請け合い!

ANTHONY ADVERSE The Red Shoes El/Cherry Red/Tower Records(1988)

 そして最後に紹介するアンソニー・アドヴァースの88年作『The Red Shoes』(El/Cherry Red/Tower Records)は、小粋なエルの諸作中でもとびきり洒落た一枚。レーベルメイトのルイ・フィリップがほぼ全曲を提供しただけあって、エレガントな欧州趣味の箱庭ポップが横溢しているんだが、ルイが関与していない唯一のカヴァーもヴィック・ゴダードのレトロ・スウィンギンな名曲“T.R.O.U.B.L.E.”で、小憎たらしいほどオツだな。 *野比甚八