オーセンティックなカントリーを奏でていた昨年の前作から一転、この新作ではバンドの実験志向が打ち出された印象だ。プロデュースを担ったケイト・ル・ボンの貢献も大きいのだろう。聴き手を音の奥底へと連れていくかのようなプロダクション、神秘的でどこか不穏なムードにはゾッとするほど。結成30周年を前に、ウィルコがまた新たな境地に達した。