たった一枚の作品を残して姿を消し、アシッド・フォーク好きの間では語り草になっていた謎多き女性シンガーが、44年ぶりに現世へと降臨した。ジュリア・ホルターナイト・ジュエルといった若き巫女たちも呼び寄せて紡がれるのは、恐ろしいほど儚いあの世のサイケデリア。清楚さの奥底に深い闇が潜むような歌声は、以前と変わらず白昼の景色に異形の影を落とし、聴き手を彼岸へと静かに連れ去っていく。