『STARTING OVER』と題したメジャー6枚目のアルバムタイトル。順調にキャリアを重ねる高橋優が題した〈再出発〉の本意とは? 『STARTING OVER』の聴きどころと共に高橋優本人に語ってもらった。

高橋優 STARTING OVER unBORDE(2018)

――順調にキャリアを重ねながら今作のタイトルを『STARTING OVER』とした経緯は?

「いま、初めてメジャーデビューさせてもらったときの気持ちにすごく近いものを自分に感じています。聴いてもらえる喜び、感動、衝動、悔しさ、もどかしさ。なにかが一周して、また原点に戻ってきたような気持ち。しかしそれと同時に、これまでと同じことを繰り返していくのでなく、また新たなステージに向かって精進したい。そのための努力のやり方も見えてきました。ここまでが第1章。これからが第2章。そんな気持ちでこのタイトルにさせていただきました」

――このタイトルに決めた時はどんな感じでしたか?

「一番しっくり来たし、その段階でまだ上がっていない楽曲が多くあったので、タイトル負けしない楽曲を作りたいという意欲が俄然湧いて来ました」

――ちなみに、今作で再度、顔アップのジャケットに戻ったのに何か意図はあったのですか?

「今回の撮影をリリーフランキーさんにお願いしました。撮影の段取りもリリーさんにお任せさせていただいたのですが、リリーさんからは〈俺の知ってる高橋優を撮りたい。イノセントなものを撮りたい〉という意向を聞きました」

――作曲・作詞面、制作過程など前作と今作で異なるポイントはありましたか?

「自分の中に曲作りに没頭できる期間をおよそ一ヶ月設けたことです。こういう時間をいただいて曲作りしたのは1stアルバム『リアルタイムシンガーソングライター』以来でした。作詞、作曲、編曲、どれも今までで一番自由にのびのびとやれた気がします。16曲それぞれの色やクセの強さを出していると思います」

――高橋優さんが個人的に〈これは決まった! 俺凄い!〉と思える部分は?

「“いいひと”という楽曲の中の、〈へへへ〉と笑う部分とそのあとのドラムフィルを録音したときは、いい意味かどうかはさておき、〈凄いのが録れた!〉と思いました」

――今作でチャレンジしたことはありますか?

「“Harazie!!”という楽曲は全編秋田弁で、初めてホーン隊をレコーディングに起用させていただきました」

――アルバムを聴く皆さんに、高橋優さんおすすめの『STARTING OVER』の聴き方を教えてください。

「曲順にも想いを込めさせてもらったので、可能であれば曲順通りに聴いて頂きたいです」

――〈ここは重点的に聴いてほしい!〉というポイントはありますか?

「“STARTING OVER”、“Harazie!!”、“ルポルタージュ”など、アッパーなタイプの曲はライヴで一緒に盛り上がれる曲だと思うので、是非ライヴをイメージして聴いて頂きたいです」

――ちょっとアルバムの内容から離れて、『STARTING OVER』に際して、これから改めてやりたいことはありますか?

「ドライブ。“STARTING OVER”のなかにドライブのシチュエーションを入れているのですが、ドライブをしながらイメージした楽曲がこれまであんまりないと実感したので、こういう曲も今後取り入れていきたいなと思いました」

――最後にリリース後のこれからの抱負を教えてください。

「このアルバムを引っさげて12月から全国ツアーをやらせて頂きます。ライブに来てくださる皆さんと音楽で一緒に楽しい時間を過ごせるのを楽しみにしています」