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Photo by Maciej Kucia

 

さて、久々の更新ということで今回は僕、Tatsuyaが書かせてもらうことになりました! 1年ほどブランクが空いての更新となってしまい、申し訳ないのですが、そのぶん密な内容になっているかと思います!

毎年Crossfaithは日本のみならず世界中でツアーを行っているわけですが、やはり2015年で一番重要なことであり最もエキサイトしたと言えるのは、俺達のメジャー・ファースト・アルバム『XENO』をリリース出来たことでしょう! 

Artwork by maxilla

 

もう聴いてくれた人たちにはわかるはずの、最強のアルバム。メンバー全員の熱い気持ちと魂の宿った渾身の作品です! 今回はその最強のアルバムが完成するまでのストーリーを書きたいと思います。

まずアルバムを制作し始めた時……それは前作のシングル“MADNESS”のレコーディングを終えた頃。その時から〈最強のアルバムを作りたい〉と、より俺達の求めるサウンド、スタイルを求めて新しいプロデューサーを探していました。そこで気になったのがJosh Wilbur。 

Photo by Julen Esteban Pretel

 

彼の手掛けてきたアーティストを見てみると、アヴェンジド・セヴンフォールドラム・オブ・ゴッドヘイトブリードといった強力なバンドたちで、バンドとしてしっかりとした力のある音楽を手掛けているところに魅かれ、さらにピンクアヴリル・ラヴィーンといったポップス系のエンジニアもやっているなどその幅広く垢抜けたセンスに引き込まれました。俺達の求めるハードな楽曲でありながらもキャッチーでいてドラマティック、そんな音楽をJoshとなら作れると確信したのです! 

Photo by Julen Esteban Pretel

 

そして彼とのレコーディングが始まるまでの約4か月間、ツアーをしながらだったり地元に帰ったりして楽曲制作を進めていきました。そしてある程度曲の母体が出来てから約1か月間、奈良にあるMORGスタジオにてプリプロダクションをすることに。何気にツアーと違った面白味があって、個人的にはあの時間が好きだったり(笑)。

MORGスタジオは1階がレコーディング・スタジオで、2階は寝泊まりの出来る部屋になっているのですが、今回はスタジオにRolandの電子ドラムを持ち込んだので完全に24時間いつでも叩き放題でした! やっぱりいつでも演奏出来るのはミュージシャンにとっては凄く嬉しいのです! 機材も環境も凄く整っているので皆さん是非、奈良のMORGスタジオを使ってみてください! 

Photo by Julen Esteban Pretel

 

ということでプリプロで楽曲をガッチリ固めてから、Joshの待つアメリカへ旅立ちました! 今回レコーディングで向かった場所は……そうです! あのレッド・ホット・チリ・ペッパーズの出身地でもあるカリフォルニア州でした! レッチリは音楽に目覚めさせてくれた大好きなバンドだったので、それだけで一気にテンションは上昇! 

レッド・ホット・チリ・ペッパーズの99年作『Californication』収録曲“Californication”

 

Photo by Julen Esteban Pretel

 

レコーディングはダウンタウンにあるFortless Studioという所で行いました。周りは工場地帯でグラフィティーがたくさんあり、なかなか怪しくも刺激的な場所で印象深かったです。 

Photo by Julen Esteban Pretel

 

アメリカに着いて俺達はJoshと会い、まずは1週間一緒にスタジオに入って曲のアレンジをしよう!となりました。Joshのアイデアと俺達の意見を合わせつつベストな楽曲の状態に完成させ、いざレコーディングに! 

Photo by Julen Esteban Pretel

 

いつもはドラム録りから始まるんですが、今回は彼のやり方ということでドラム録りは一番最後に。実はこの方法をとることによって、レコーディングを進めながら最後まで細かいアレンジが出来るのです。いままでやっていたレコーディング方法と違ったのですが、この進行法によって結果的に凄く良い作品を作ることが出来ました。 

Photo by Julen Esteban Pretel

 

ベース、ギター、ヴォーカル、DJ、ドラムと、毎日それぞれの楽器がスタジオで鳴り響き、一つ一つ音が合わさって、形となっていくのに凄く興奮しました! そしてヴォーカルRec、今回はこれまでのレコーディングで一番Koieの持っているスキルを上手く発揮させてくれたのではないでしょうか。 

Photo by Julen Esteban Pretel

 

そして全体のレコーディングをしっかり終え、Joshが曲のミックスを始める頃、俺達はイギリスで行われる〈Slam Dunk Festival〉に出演するため空の旅……! 約11時間のフライトで無事に着陸! 真夏のカリフォルニアから、すこし肌寒いイギリスへステージ・チェンジ! この日はフェスということでLIVEと別ステージでTeruがDJをしていました。俺とメンバーでDJのステージに行き、GoProで撮影しながら楽しむことに(笑)。 

Photo by Ryan Chang

 

LIVEもバッチリ終えてその日の夜はアフター・パーティー! 昔から仲のいいバンドと再会したり、新しい仲間も増えたり。HiroとKoieは俺達のアルバム『XENO』の“Ghost In The Mirror”という曲でフィーチャリングしてくれたベアトゥースのヴォーカル、Caleb Shomoとここで初めてハングアウトして、そのままゲスト・ヴォーカルに招くという流れが生まれました!

Photo by Ryan Chang

 

そしてUKからカリフォルニアへ戻る途中にJoshから、〈“Xeno”の第一段階のミックスが出来た! 俺の家に聴きに来いよ!〉という連絡が入り、USに着陸するやいなやすぐにJosh宅へ駆けつけました。その時のドキドキ感といえばそれはもう、山の頂上付近に来ていてあと少しで絶景が見れるワクワク感に似たような感じ。 

Photo by Julen Esteban Pretel

 

早速スタジオに全員で集まって“Xeno”を再生し、曲が始まってから目を閉じて完成した曲をじっくり聴きました。そして曲が終わった瞬間、ただただ感動! 満足感と達成感と純粋に自分達が全力で作った曲の完成にメンバー皆で抱き合って喜び、歓喜のあまり涙するメンバーも。バンドを始めて9年経ちますが、あの時の感情は初めて味わうものだったし一生忘れられない感動的な瞬間になったと思います。まだまだ『XENO』を世界中に広めていきたいですね!

Photo by Julen Esteban Pretel

 

そして、発表になったばかりですが、その『XENO』を引っ提げてのワールド・ツアーが決定しました! まずはその一部が発表されたんですが、2016年はここ日本からツアーをスタートします。 

Artwork by ApolloCollective

 

このツアーは世界中のべ80都市前後を回ることを予定していますが、母国でスタート出来ることがすごく楽しみで仕方ないです! みんなとツアーで会えるのを楽しみにしてます!

Tatsuya

Crossfaith XENO LUSTFORLIVES/ARIOLA JAPAN(2015)

 

PROFILE:Crossfaith


Kenta Koie(ヴォーカル)、Terufumi Tamano(プログラム/ヴィジョン)、Kazuki Takemura(ギター)、Hiroki Ikegawa(ベース)、Tatsuya Amano(ドラムス)から成る5人組。2006年に結成。2009年にファースト・アルバム『The Artificial theory for the Dramatic Beauty』を発表し、同年の〈LOUD PARK〉に初出演。翌2010年には初作がヨーロッパでリリースされ、海外デビューを果たす。2011年にヨーロッパに続きUSでも発表することになる2作目『The Dream, The Space』を完成。アジア圏を皮切りに海外でのライヴ活動も規模を拡大させ、ヨーロッパやUSなどでのツアーやフェス出演も精力的に行うようになる。そして2012年にミニ・アルバム『ZION EP』を、さらに2013年には世界デビュー盤となるフル・アルバム『APOCALYZE』をリリース。そして同作を引っ提げ、初の日本ツアーを含めた30か国以上を回るワールド・ツアーを敢行する。2014年には世界を股に掛けた活動の充実ぶりに拍車がかかり、メジャー・デビュー・シングル“MADNESS”を発表。2015年に入ると日本国内での初ワンマン・ツアーを開催したほか、先日メジャー・ファースト・アルバム『XENO』をリリース。11月にはUKツアーが行われ、11月21日(土)には千葉・幕張メッセにて〈OZZFEST JAPAN 2015〉に出演。来年1月からは日本を皮切りとしたワールド・ツアーがスタートする。そのほか最新情報はこちらへ。