英マーキュリー賞にノミネートされた前作で知名度を上げたマンチェスターの若きピアノトリオが華々しくブルーノートデビュー。アコースティック・エレクトロニカ、人力ドラムンベースと称されてきた超絶技巧によるビートメイキングが耳を惹くが、もっと広くハウスやダウンテンポまで網羅したエレクトロニックなビートをネイティヴな感覚でアウトプットしている点が新鮮。またピアノのアンビエンスやビートの鳴りから感じられる音響への強い拘り、緩急の増したリリカルな構成からはポスト・ロックと呼ばれた音楽の影響も覗える。それがブルーノートの耳を捉えたということにジャズの明るい未来を見出す。