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【REAL Asian Music Report】第4回 ラフィン・ノーズのチャーミーが語る、韓国インディーのいま。音楽への愛情と探究心が生んだコンピ『大韓不法集会』

大石始が伝えるアジア音楽の最前線

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  • 2016.03.18

 

「GLOCAL BEATS」(共著)・「大韓ロック探訪記」(編集)・「ニッポン大音頭時代」(著)などの音楽書に携わり、文化放送のラジオ番組「MAU LISTEN TO THE EARTH」でパーソナリティーとしてアジア情報を発信するなど、世界の音楽とカルチャーをディープに掘り下げてきたライター/編集者/DJの大石始が、パワフルでオリジナルな活況を呈するアジア各地のローカル・シーンの現在進行形に迫るほぼ月イチ連載〈REAL Asian Music Report〉。第4回では、ここ数年韓国音楽に大ハマりしているという、ラフィン・ノーズチャーミーを直撃! 氏の行きつけだという都内の某喫茶店にて、このたびリリースされる自身のプロデュース作『大韓不法集会』についてや、韓国インディーへの熱き想いを語ってもらった。 *Mikiki編集部

 

日本のハードコア・パンク史に燦然と輝く『ハードコア不法集会』(84年)というコンピレーション・アルバムがある。旗振り役のラフィン・ノーズを筆頭に、8組のハードコア・バンドによる名演を収めたこのアルバムは、日本におけるハードコア・シーンの転換期を象徴するものとして現在も語り継がれる名盤中の名盤だ。

その『ハードコア不法集会』のリリースから32年後となる2016年、『大韓不法集会』という1枚のコンピレーション・アルバムが世に出ることとなった。プロデュースは32年前と同じく、ラフィン・ノーズのチャーミー。だが、ここに収録されているのは何と韓国のインディー・シーンで活動する8組のアーティストたち。ウィーダンス404タンピョンソン・アンド・ザ・セイラーズピギビッツECEヤマガタ・ツイークスターバムソム海賊団クァン・プログラム。日本ではほぼ無名なアーティストも含まれるが、ハードコアからの影響を感じさせるバンドもいれば、フォーク系のシンガー・ソングライターもいて、ヴァリエーションは豊か。韓国インディー・シーンの熱さがダイレクトに伝わる内容となっている。

だが、そもそも日本を代表するパンク・ヴォーカリストはなぜ韓国インディーのコンピレーション・アルバムを作ることになったのだろうか? そこには80年代から何も変わらないチャーミーの熱い思いがあった――。

というわけで、ここからは韓国音楽への愛情が爆発するチャーミーのインタヴューをお届けしよう。近年韓国へ足繁く足を運ぶ彼による、最新韓国インディー事情。マニアックなアーティスト名が盛りだくさんだが、動画や注釈と共に読み進めていただければ幸いだ。

VARIOUS ARISTS 大韓不法集会 Transceiver(2016)

いままで聴いてきたものとはまったく別物だった

――チャーミーさんが韓国の音楽にハマったきっかけは何だったんですか?

「もともとは(漫画家の)根本敬先生が録り貯めていたビデオを10年前に手に入れたのがきっかけですね。そこには80年代の韓国のTV番組が入っていて、たまに思い返しては〈おもしろビデオ〉として観ていたんです。それが最近になって〈あれ? 音楽的におもしろいんじゃないか?〉って気付いて」

――そのビデオにはどういうアーティストが入ってたんですか。

ユン・スイル※1キム・スチョル※2サヌリム※3シナウィ※4ソンゴルメ※5とかがズラッと入ってたんです。だけど、字幕は全部ハングルだから、出てる人がなんていう名前なのかもわからない。だから、黄色い服を着ていたキム・スチョルは〈黄色くん〉って呼んでたし、ソンゴルメは〈ヒゲさん〉、サヌリムは(ギター/ヴォーカルの)キム・チャンワンがサバを持ってるビデオ・クリップが入ってたから〈サバさん〉って呼んでた(笑)。最近になって画面に出てるハングルをiPhoneで撮って、それを自分のPCに送ったものをハングルで打ち直して、それをiTunes Storeで打ち込んで……ということをやったんです」

※1 ユン・スイル (윤수일) :1955年生まれの歌手。70年代後半にデビューを飾り、80年代前半には高い人気を獲得。“アパート (어파트) ”など数多くのヒット曲を持つ

※2 キム・スチョル (김수철) :70年代末、ロック・バンド〈小さな巨人〉の一員としてデビュー。その後ソロ・アーティストとして活動したほか、映画俳優やプロデューサーとしても活躍している

※3 サヌリム (산울림) :ギター&ヴォーカルのキム・チャンワンを長男とする3兄弟によって70年代末に結成された、韓国を代表する名ロック・バンド

※4 シナウィ (시나위) :80年代の韓国における爆発的ハードロック・ブームを牽引したバンド

※5 ソンゴルメ (송골매) :78年に結成された滑走路(ファルチュロ)を前身バンドとし、ヴォ―カル&ギターのペ・チョルスを中心に結成。多くの名曲を残した。

サヌリムの78年作『The Second』収録曲“Laying Silks and Satins on my Heart”

 

――涙ぐましい努力ですねえ(笑)。

「根本先生のビデオに入っていたものをそんなふうに解析して、そこから一気にハマってしまった。探せば探すほどすごい曲が出てきて……」

――70~80年代の大韓ロックのどのような部分に惹かれたんでしょうか。

「結構アクが強いから、最初は2時間も聴いてると毒抜きのためにブライアン・イーノとかストーンズを聴いてたんですよ(笑)。それがだんだん沁みてきて……もう、降参。最初は抵抗してて、〈ずっと聴いてたらヤバイわ〉と危険を感じてたんだけど、抗えなくなってしまった」

――それまで聴いてきたものとはまったく別物という感覚?

「うん、まったく別物っていう感じでしょうね。やってることは(欧米のものと)全然違うわけじゃないし、音楽のフォーマットとしてはロックだけど、何かが違う。ハングルの響きもあるだろうし、彼らの血もあるんだろうし。それで1年間、朝から晩まで延々大韓ロックばっかり聴いてたら、(ラフィン・ノーズのベーシストである)ポンに怒られたんですよ。〈自分の本分わかってんのか? お前はラフィン・ノーズだぞ?〉って(笑)」

――ハハハ!

「そんなこと言うもんだから、僕は〈ちょっと待ってくれ。決着つけないと先に行けないんだ〉って返して(笑)」

――では、そうやって大韓ロックに関心を持ったチャーミーさんが現在の韓国インディー・シーンに関心を持ったきっかけは何だったんでしょうか。

「まず、サヌリムとかソンゴルメみたいな大韓ロックの流れでチャン・ギハと顔たち※1を聴くようになったんですね。そうこうするうちに「大韓ロック探訪記」※2が出て衝撃を受けて……」

※1 ヴォーカルのチャン・ギハを中心にして2008年に結成。後に90年代から韓国で活動を続ける日本人ギタリスト、長谷川陽平がサポート・メンバーを経て正式加入。2012年には韓国大衆音楽賞の各賞を受賞するなど、現在の韓国を代表するロック・バンドに成長した

※2 チャン・ギハと顔たちのメンバー、長谷川陽平が90年代からの自身の体験を語った書籍。編著は大石始

★長谷川陽平×大石始「大韓ロック探訪記」インタヴューはこちら

チャン・ギハと顔たちの2014年作『사람의 마음 (人の心)』収録曲“내 사람”

 

――恐縮です……。

「そこから長谷川さんと出会って。長谷川さんからは〈チャーミーさん、(韓国から)呼ばれてますよ〉ってよく囁かれてたんです(笑)。で、長谷川さんがルック・アンド・リッスンという韓国のパンク・バンドをプロデュースして、『Very Best Of World Punk Hit』っていう世界のパンク・バンドの曲をカヴァーしたアルバムを作ることになったんですね。そこで僕らの“Get The Glory”をカヴァーすることになって、ソウルでレコ発をやると。それで長谷川さんが〈ソウルに遊びに来ませんか?〉と誘ってくれて、僕も1曲歌うことになった。もちろん〈正装〉で行きましたよ。髪の毛立てて、バリバリで」

★ルック・アンド・リッスン『Very Best Of World Punk Hit』を紹介した記事はこちら

ルック・アンド・リッスンの『Very Best Of World Punk Hit』収録曲“Get The Glory”

 

――それが2014年の8月だったわけですが、その時のステージはどうでした?

「バキバキに盛り上がりましたよ。楽しかった。前乗りして2時間ぐらいスタジオで練習したのかな。その成果もあって、ばっちりキマった」

――ただ、その時の渡航ではまだ韓国インディー・シーンそのものには触れなかったわけですよね?

「そうそう。ある日、ムキムキマンマンス※1の“Andoromeda”っていう曲のビデオ・クリップを観て、自分のアンテナに引っ掛かるものがあったんです。サヌリムの音に感じる〈エゲつなさ〉っていまのソウルにはないんじゃないかと思ってたんですけど、ムキムキマンマンスは違うぞと。スリッツみたいなところがあって、〈こんなことやってるヤツら、おんねや!〉とびっくりして。そうしたら毎日韓国情報の交換をしていた(現・transceiver recordsスタッフの)ツネが〈こんなのもありますよ〉って404※2や、ウィーダンス※3のことを教えてくれたり……そういうバンドが全部金メダル級なんですよ(笑)。これは何か起きてるんじゃないか?と思って、ルック・アンド・リッスンのライヴの時に紹介してもらっていた(カメラマンの)スワンくんにいろんなバンドを教えてもらったんです」

※1 ムキムキマンマンス (무키무키만만수) :ドラムのムキーとギターのマンスからなる女子2人組バンド

※2 〈サーコンサー〉と読む。チョン・セヒョン(ギター/ヴォーカル)とチョ・インチョル(ドラムス)からなる男性2人組ロック・バンド

※3 ウェヴォ(ヴォーカル)とウェギ(ギター)による2人組。近年たびたび来日公演を行っており、日本での人気も上昇中

ムキムキマンマンスの2012年作『2012』収録曲“Andoromeda”

 

――彼らのどこにそこまで惹きつけられたんでしょうか?

「ウィーダンスにしても404にしてもバムソム海賊団※1にしても、2人であの音をやっちゃうのが凄いなと思って。そこが僕的には新しかった。ロック・バンドをやるには最小でもギター/ヴォーカル、ベース、ドラムの3人は必要だと思ってたけど、ヤマガタ・ツイークスター※2なんか一人でやってる。今回のコンピに入るピギビッツ※3とかECE※4は通常のバンド編成だけど、ほかは大体1人とか2人だね。ウィーダンスのウィーヴォなんて本当にすごいパフォーマーだし、天才だと思う。それでラフィン・ノーズのツアー中、ほかのメンバーにウィーダンスの映像を見せまくってたんです。〈この子らすごいで、見てくれや!〉って(笑)」

『大韓不法集会』収録曲、ウィーダンス“Something We Never Lose”

 

※1 10代でブラック・メタルのソロ・プロジェクト、PYHAとして活動していたソンゴン(ヴォーカル&ギター)とドラムのヨンマンによるグラインドコア・デュオ

※2 アマチュア・アンプリファー(アマチュア増幅器)として活動していたバ・ハンのソロ・プロジェクト。奇妙な詩情に満ちた歌詞やユニークなライヴ・パフォーマンス、〈Groove Guruma〉と呼ばれるリアカーで自身のCDや本を売り歩くなど独自の活動でも知られる異才

※3 ピギビッツ (PIGIBIT5) :男女混成メンバーによるノイズ・ポップ・バンド。しばしば日本のアニメをモチーフにした楽曲を作ることでも知られ、2011年の『Cherryboy Revolution』や2014年の『Mr. Munba』などのアルバムで注目を集める

※4 2014年のアルバム『Lift Me Glory (나를 번쩍) 』で注目を集めた4人組エクスペリメンタル・ロック・バンド。バンド名は〈Emergency Call Equipment〉の略

バムソム海賊団の2013年のライヴ映像

 

 

僕にとって、感覚的な部分で彼らはパンク
そういうヤツらを凝縮したアルバムを作りたかった

――では、今回のコンピレーション・アルバム『大韓不法集会』のアイデアはいつぐらいからあったんですか?

「わりと早い段階からありましたね。ムキムキマンマンス以降、大韓ロックだけじゃなくてインディーズにも完全にハマっちゃって。YouTubeを観てるだけでもすごい映像が無限にあるし、自分のなかでどんどん溜まっていくわけですよ。本当にヤバイから〈みんなに知らせたいな、みんな知ったほうがいいぜ!〉っていう気持ちが湧き上がってきた。〈オーイ! 隣の国ですごいことやってまっせ~!〉みたいな(笑)」

――そうした韓国のインディー・バンドをリリースしている日本のレーベルも現状少ないですよね。ヤマガタ・ツイークスターやウィーダンス、404をリリースしてきたutakata recordsとか、少数の心ある人たちががんばってる状況で。

「そうなんですよね。ウィーダンスが日本に来てたことも後から知って、utakata recordsから出たCDも買いました。utakata recordsをやってる奥藤知子さんにも会って、いろんなことを教えてもらいました。奧藤さんとは大阪で会ったんですよ。ウィーダンスがディアフーフの前座をやったとき、僕もラフィン・ノーズのライヴがあった札幌から大阪までライヴを観にいったんです(笑)」

ヤマガタ・ツイークスター〈サイ、 君の謝罪はあまりに横暴でちゃっかりしていて強情なので簡単に受け入れることができないんだ〉のパフォーマンス映像

 

――東京に戻らず、ダイレクトに大阪に飛んだわけですか(笑)。

「そうそう(笑)。その頃にはコンピレーション・アルバムのことは考えはじめていて、『大韓不法集会』っていうアルバムのタイトルも浮かんでいた」

――『大韓不法集会』というタイトルにはかなりのインパクトがありますけど、『ハードコア不法集会』が出た84年当時のシーンの熱さみたいなものをソウルに感じたということだったんでしょうか。

「いや、そこは全然関係ないですね、それは別。あのときはハードコアのシーンの真ん中にいましたからね。韓国のシーンに対してはやっぱりよそ者だし、立ち位置が違う」

――ただ、『ハードコア不法集会』以来32年ぶりのプロデュース・アルバム、しかも〈不法集会〉というタイトルまで付けているわけで、これは本当にすごいことですよね。

「まあ……〈不法集会っていうタイトル使うてんねんぞ、お前らもっと反応せえや!〉ぐらいの思いはありますけど(笑)。それぐらいチャーミーは本気なんだ、ガチなんだということは伝わるかなと。〈ここに入ってる8組こそがパンクだぞ〉と言うつもりはないけど、本質的なところでパンクを感じているのは確かですね。僕にとって、感覚的な部分で彼らはパンク。そういうヤツらをギュッと凝縮したアルバムを作りたかった」

『大韓不法集会』収録曲、404“Warter”

 

――オファーにあたって、収録アーティストにはチャーミーさんみずから手紙を書いたそうで。

「そうそう。2014年の12月ぐらいに収録アーティストが決まって、それから数日後、各アーティストに手紙を書いたんです。〈はじめまして。私、日本でラフィン・ノーズというパンク・バンドをやっています。これまでにこういう仕事をしてきて、『大韓不法集会』というタイトルのコンピレーション・アルバムを作りたいんです。僕と一枚アルバムを作ってくれませんか?〉ということを書いて、それを訳してもらったものを各アーティストに送った。向こうからしてみれば誰だかわからない日本人からのオファーなんだから、きちんと書かないと」

――そして、現地でそれぞれのアーティストと直接会い、会話を重ねてきたわけですね。

「現地で初めて観たのがクァン・プログラム※1だったんですよ。最前列で観たんだけど、ものすごくヤラれちゃって。クァン・プログラムの後に出てきたタンピョンソン・アンド・ザ・セイラーズ※2がまた凄くて……タンピョンソンは一人で何度も日本に来てるし、彼がすごいのは間違いないんだけど、セイラーズはメンバーのベース、ドラム、ヴァイオリン、みんな凄いの。以前入ってたヴァイオリン奏者がとっても良かったんだけど、最近メンバー・チェンジがあって。でも、その人がまたいい(笑)」

※1 チェ・テヒョン(ギター&ヴォーカル)のソロ・プロジェクトから発展し、2011年に活動を開始した2人編成バンド。チェ・テヒョンの影のある歌声とニューウェイヴ・フレイヴァーやアンビエント・ノイズを取り込んだサウンドで注目を集めている

※2 ディープなサイケデリック・フォークを奏でて日本でも人気を集めるシンガーソングライター、フェギドン・タンピョンソンを中心とするバンド

クァン・プログラムの2013年作『You Or Me』収録曲“Gangs are Blue”

 

――韓国のバンドってメンバーチェンジも早いけど、進化するペースも速いですよね。

「うん、速い。404は活動停止しちゃってるけど、(ドラムの)インチョルさんはコンパス※1という全然違うアプローチのユニットをやってて、セヒョンくんはCONG VU※2っていう名義で打ち込み系のアッパーな音をやってますね」

※1 404のチョ・インチョルが参加する3人組。〈バンド〉ではなく〈プロデューサー・グループ〉を名乗り、映像や広告などとのコラボレーションを盛んに行う。2015年7月に初アルバム『Expo』をリリース

※2 シカゴ発祥のゲットー・ダンス・ミュージック、ジュークを専門とするプロジェクト。近年、日本のジューク/フットワーク・シーンでも注目を集めており、交流も盛んになっている

――どっちもおもしろいですよね。

ジャイアント・ベアー※1っていうパンク・バンドのベースがピギビッツをやってたり、ジャイアント・ベアーのギタリストが全然タイプの違うポープXポープ※2をやってたり……〈なんなんだこのグチャグチャ具合は?〉っていう(笑)。僕は最近、ポープXポープが一番おもしろいと思ってるんですよ。韓国インディーの世界に潜り込んでいたら、深海の奧からいきなり出てきた感じ。ドローン系の音で〈これ、なんやねん!〉ってビックリしちゃって。ポープXポープの前身バンド、ヒッチハイカーもまたおもしろくて、掘り出していくと本当にキリがないんですわ」

『大韓不法集会』収録曲、ピギビッツ5“Explosion in the Yamada""Burgerlover”

 

※1 2012年にキム・スンスグォンソクヒョンを中心に結成された4人組バンド。初期衝動溢れるガレージ・ロック~パンクで人気を集めている

※2 ポープXポープ (POPE X POPE) :ノンビートのドローン~アンビエント系サウンドを指向するエクスペリメンタル・グループ。2015年には呪術的なドローン~アンビエントが詰まったファースト・アルバム『The Divinity And The Flames Oof Furious Desires』をリリース

――無限に繋がっていきますよね(笑)。

「そうそう、無限に繋がっていっちゃう。〈これでもか!〉っていうぐらい。しかも、みんな助け合ってやってるところがすごくいいなと思って。この前のイベントなんかはジャイアント・ベアーとDJメイジン・タカハシっていうのが一緒にやったんですよ」

――DJメイジン・タカハシ(笑)?

「DJメイジン・タカハシ、おもしろいんですよ。音はピコピコ系で僕の趣味とはちょっと違うんだけど、ゲームのコントローラーを使って〈ピカチュー!〉とか音を出す(笑)。そのDJメイジン・タカハシが終わったあとにタンピョンソンがやって、そのあとジャイアント・ベアーが出てきて……最後にDJメイジン・タカハシが〈ピカチュー!〉って(笑)。お互いに〈お前らは俺らと違うジャンルだ〉みたいな感覚が全然ない」

――壁がないわけですね。

「そうなんです。もちろん昔に比べたら向こうのシーンも細分化してるみたいだけど、それでも僕にはまだ壁がないように感じますね」

タンピョンソン・アンド・ザ・セイラーズの2016年のライヴ映像

 

――では、最後にチャーミーさんオススメのソウルのミュージック・スポットをご紹介していただけますでしょうか。

「やっぱり(一杯の)ルルララ※1はいいですよね。いいライヴをいっぱいやってるし、雰囲気もいい。あと、ルルララからも近い雨乃日珈琲店※2。ライヴもやるし、CDも売ってる。コーヒーもケーキも美味しいですね。近くのYOUR MIND※3という本屋さんも好きな場所です。僕はソウルのカフェが好きなんですよ。雨乃日珈琲店もそうなんだけど、アーティスティックなカフェがたくさんある。構えてなくて、フツーにいい雰囲気のお店が結構あるんですよね。そういうお店で流れてる音も〈いまのソウル〉だと思うんです」

※1 一杯のルルララ (한잔의 룰루랄라) :ソウル・インディー・シーンの中心地、ホンデのカフェ兼ライヴ・スペース。地元バンドのCDを取り扱っており、週末にはライヴも行われている。チャーミーいわく〈聖地とも言える場所〉
https://www.facebook.com/caferuloorala

※2 ライターとしても活動する清水博之さんが経営するホンデのカフェ。こちらでもたびたびアコースティック・ライヴが開催されており、二階堂和美など日本人アーティストがライヴを行うことも
http://amenohicoffee.com/

※3 ホンデのリトルプレス専門書店。映像上映会やワークショップが行われることもあり、ソウルのアート・シーンにおいて重要な役割を果たしている
http://your-mind.com/

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