INTERVIEW

トーゴと仏の混合アフロ・ファンク・バンド、ヴォードゥー・ゲームがユニヴァーサルに進化する自身の音楽を語る

photo : Miki KAGAMI
 

ルーツの上に堂々と進化する極太アフロ・ファンク・バンド

 トーゴ出身のピーター・ソロとフランスはリヨンのミュージシャンたちが結成した極太アフロ・ファンク・バンド、ヴォードゥー・ゲームが毎年恒例のワールドミュージック・フェス〈スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド〉のため来日を果たした。

 ピーターのルーツとなっているのは、ベナンのオルケストル・ポリ=リトゥモ・ド・コトヌーエル・レゴらが70年代に残したアフロ・ファンク(ピーターの叔父であるロジャー・ダマウザンはトーゴの伝説的ファンク・アーティストでもある)。

 「確かに60~70年代のファンクは何世代も前のヴィンテージなものかもしれないけど、いまだモダンな魅力に溢れている。彼らの曲には生命が宿っていて、その生命は永遠のものだ。俺のアイドルはマイケル・ジャクソンでもなければ今のスターでもなくて、ポリ=リトゥモでありエル・レゴなんだ」

 また、ピーターが生まれ育ったトーゴのグリッジという町は、西アフリカにおけるヴードゥーのメッカともいうべき場所。当然、彼もヴードゥーの儀式や思想から多くのことを学んでいる。

 「ヴードゥーの儀式で演奏されるリズム、サウンド、ハーモニー、エネルギー。それらすべてが俺の音楽のバックグラウンドになっている。どうやって人々をトランスさせ、解放するか。ヴードゥーとはみんなで分かち合うことが重要で、それをファンクという現代の音楽と融合させたのが俺の音楽だ」

 近年、オルケストル・ポリ=リトゥモ・ド・コトヌーをはじめとする70年代のアフロ・ファンクは世界的な注目を集めており、そうしたアフロ・ファンク・リヴァイヴァルの潮流とヴォードゥー・ゲームの活動は共鳴し合っているとも言える。だが、ヴォードゥー・ゲームが奏でているのは単なる懐古趣味的なアフロ・ファンクなどではない。ピーターは過去2回〈スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド〉に出演しているが、過去の公演では民族衣装を着てトラディショナルを演奏していたものの、今回は上半身裸でジェイムス・ブラウンばりのシャウトを披露。自身の“ルーツ・ミュージック”を迷いなく演奏するその姿には、過去の来日公演にはない清々しさがあった。

 「アーティストはひとつの場所に留まるのではなく、常に進化しないといけない。俺はアフリカのジャングルで生活しているんじゃなくて、今はフランスに住んでいる。トラディショナルだけを忠実に演奏していくことは俺にはできない。もちろんアフリカ人であることを誇りを持っているけれど、一方ではユニヴァーサルな表現者でありたいと思っているんだ」

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