2週間前からはじまったMikikiの2017年振り返り企画。ここでは今年1年でもっとも読まれたレヴュー記事をジャンルごとに紹介していきます。第7弾はJAZZのトップ20。スタンダード・ジャズからエクレクティックなニュー・ジャズまで幅広い20作です。
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ジャズ・プレイヤーがインディー・ロックのアクトと交流したり、ラッパーやポップ・シンガーと共演したり……といった越境感覚が、ジャンル的にも国籍的にもますます一般的となった昨今。その流れはこのランキングにもしっかりと表れているように感じます。新鋭ブラクストン・クック、ヴェテランのジェフ・パーカー、イギリスのユセフ・カマールとポルティコ・カルテットらには、既存のジャズ・シーンに囚われない圧倒的な身軽さを感じます。
トニー・アレンがブルー・ノートから作品をリリースしたというのも2017年の〈越境性〉を象徴する出来事でしょう。キューバ出身のダイメ・アロセナやイスラエル出身のシャイ・マエストロらが、それぞれのオリジンを作品に落とし込んだ話題作も印象的です。
そして、まさしく越境的に八面六臂の活躍を見せる石若駿と桑原あいのデュオ作が5位に。伊藤志宏トリオ・シンクレティアら、国内のジャズ・シーンも充実した作品を多数リリースしたことを実感します。なかでもポップ・シーンにもっとも近いSANOVAのデビュー作は堂々の1位。今後の活躍に大いに期待できそうです。