COLUMN

CDの増殖形態 「MQA(Master Quality Authenticated)」 ハイレゾも聴ける、高音質ディスク

CDの増殖形態 「MQA(Master Quality Authenticated)」 ハイレゾも聴ける、高音質ディスク

ハイレゾも聴ける、高音質ディスク。

 「MQA(Master Quality Authenticated)」は、英国の高級オーディオブランドであるメリディアン・オーディオが2014年に発表したハイレゾ時代のデジタルオーディオ技術。ミュージシャンの演奏した音楽を、ユーザーの手もとにある再生環境でありのままに再現することを目指して開発されたものでる。

 技術の根底には、メリディアン・オーディオの共同創業者であるボブ・スチュアート氏による最先端の神経科学に基づいた研究成果が活きている。人間が自然界で音を知覚する際のメカニズムを解析・応用した結果、音楽再生の「時間軸」を正確にコントロールすることで、あたかもスタジオやコンサートホールで演奏者を目の前にしながら音楽を聴いているような臨場感が再現できることに着目。音楽が生まれる現場の生々しい空気感までもMQAは蘇らせてしまうのだ。

 MQAの音楽体験を味わうためには対応するオーディオ機器と音源が必要になる。音源は2016年から、e-onkyo musicストアがMQAタイトルのダウンロード販売を初めており、作品数も順調に増えている。

 MQA音源の多くはCDを超える音質で収録されている、いわゆる“ハイレゾ”のタイトルだ。MQA対応のオーディオ機器で再生すると、演奏者の魂がこもったマスター品質の再生が楽しめる。そしてMQA対応の再生機を使わなかった場合も、一般的なFLAC形式のファイル再生に対応するプレーヤー機器であれば、CDと同等の品質で再生できる互換性を持っていることがMQAの魅力だ。

 ハイレゾ再生の場合、元もとのファイル容量が大きくなりがちなので、パソコンやオーディオ機器に内蔵されているストレージに保存すると、限られた空き領域を楽曲ファイルが占有してしまうことが課題とされていた。MQAはマスター品質の音質を保ちながら、独自の“オーディオ・オリガミ”と呼ばれるエンコード方式により、ファイルのデータサイズをコンパクトにできる。今やアウトドアで音楽を聴く時の定番プレーヤーとなったスマホやポータブルオーディオプレーヤーの内蔵ストレージが、より有効に活用できるようになる点にも注目したい。

 音質と利便性、MQAの大きなふたつのメリットを活かして、より手軽にハイレゾが楽しめるメディアが2017年春に誕生した。その名も「MQA-CD」である。ハイレゾ音源のファイルをMQAの技術によりコンパクトにして、既存のCDディスクに収録した画期的なパッケージソフトだ。

 その特徴は何と言っても、一般的なCDプレーヤーで再生ができてしまうことだ。もしCDプレーヤーに同軸/光デジタル出力端子が搭載されていれば、メリディアン・オーディオの「ULTRA DAC」などMQAデコーダーを搭載するDAC機器にケーブルでつないで、MQA音源の独特な臨場感あふれるサウンドを楽しむことができる。

 なおMQAの技術は時間軸情報の精度を向上させるため、一般のCDプレーヤーで再生した場合でも一段といい音が楽しめる。そのMQAの特長を後押しするのがユニバーサルミュージックのMQA-CDが併用するUHQCDだ。

 6月20日にはユニバーサルミュージックからUHQCD併用のMQA-CDのタイトルが一挙100作品登場する。コレクションには洋楽からジャズ、クラシックの名盤までがずらりと揃う。作品1枚の価格も3,000円(税別)からと、普通のCDと変わらない。MQA入門にも最適だ。

 MQA-CDを楽しむための方法はほかにもいくつかある。例えばMQAデコーダーを搭載するCDプレーヤーも発売されている。これを任意のアンプやスピーカーと組み合わせる方法もありだ。MQA-CDはまたデータをリッピングして、パソコンで再生することも可能だ。リッピングした音源からMQA再生の実力を引き出すためには、MQA対応のPCソフトウェアである「Audirvana Plus 3」や、メリディアン・オーディオの「Prime Headphone Amp」など、MQA音源のデコードに対応するUSB-DACを内蔵したヘッドホンアンプを揃えよう。スピーカーやヘッドホンを組み合わせて、MQAの臨場感あふれるサウンドがいつでも好きな時に楽しめる。

 MQAによる音楽リスニングの輪は、オーディオや音楽コンテンツ業界のパートナーにも広がっている。MQAのタイトルは今後、ユニバーサルミュージックのほかワーナー・ミュージック、ソニー・ミュージックエンタテインメントなど大手から続々とリリースされるだろう。MQAに対応する高品位な作品をリリースする国内外のインディペンデント系レーベルも少なくない。今後はダウンロードだけでなく、リアルタイムにストリーミングしながら楽しめるMQA作品も充実しそうだ。

 ソニーのウォークマン「NW-A40シリーズ」やオンキヨーの「DP-S1A」など、いわゆるポータブルオーディオプレーヤーにもMQA対応のオーディオ機器が増えてきた。プレーヤーの価格がお手頃なうえ、ヘッドホンやイヤホンを揃えるだけでコンパクトにMQA再生環境が整うのでおすすめだ。また今後はスマホでもMQAをより手軽に再生できるようにもなりそうだ。ハイレゾ再生は何となく敷居が高くて敬遠しがちだったという方にもぜひ、手軽にいい音が楽しめるMQAの魅力を知ってほしいと思う。

 

●マスターはDSDから変換した352.8khz/24bit音源をメインに採用
 「ハイレゾCD」シリーズの第1弾としてラインナップされたのが、ユニバーサル ミュージックが誇る豊富なカタログから選び抜かれたクラシック、ジャズ、ポップスの名盤100タイトル。その多くでマスターとしたのは、日本企画ながら世界的な好評を博しているSACD~SHM仕様シリーズ用のDSD素材から変換した352.8khz/24bitファイルで、ここでしか入手することのできないデジタル未配信音源も含みます。一部、本シリーズのために新たにアナログ・テープから起こしたタイトルもあり! 詳細は、hires-cd.jp

 


ハイレゾCD名盤シリーズ 全100タイトル

ROCK/POPS

 

JAZZ

 

CLASSICAL

タグ
pagetop