2018.08.28

開放的な青空の下でのびやかに歌う姿や、木漏れ日のなかで軽やかに弾き語る姿が印象的な“Open Your Eyes”のMVを見て一気に引き込まれた。ジャズとフォーク、ソウルなどのジャンルを越境する音楽性をこのデビュー作では最大限に表現。オーケストラをも駆使した音の広がりと、リズムの多様性もあいまって、非常に実験的でありながらも、既に確固たる何かを確立しているといった印象が感じられる。とてもこれがデビュー作とは思えない程の濃密度と完成度。どこか可憐さを感じさせる穏やかでスモーキーな彼女の歌声は、先鋭的な楽曲にナチュラルな魅力を加えている。

 


デトロイトからニュージャージーに移住した兄妹とのグループ、インフィニティーズ・ソングとしてNYの公園や地下鉄構内で歌っていたギター弾きの歌姫が、2017年のEPを経てロック・ネイションから発表したソロ・デビュー・アルバム。可憐さを残すスモーキーな歌声やソウル~フォーク~ジャズを跨いだ音楽性をもって〈現代版トレイシー・チャップマン〉とも言われているが、オーケストラを使い、ユニークなリズムやコーラスを交えた楽曲は素朴にして実験的でもある。9thワンダーが制作に絡んだグラウンド・ビート風リズムの先行曲“Open Your Eyes”やボッサな“Jazz Festival”、モータウン調の軽快な“A Happy Song”でのポップネスも魅力。兄妹グループとの共演も含む、静かな主張を感じさせる門出盤だ。

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