ブルーノートを新解釈する『Blue Note Re:imagined』の第2弾!

 ブルーノートの創立81年目にあたる2020年にコンパイルされた『Blue Note Re:imagined』は実に興味深い内容だった。これまでも古典をさまざまな方向から取り上げる名曲トリビュートは企画として珍しいものではなかったかもしれないが、英デッカによって制作された同作は賑わいを見せるUKジャズ・シーンの人気者たちが大挙参加したカヴァー/リメイク集で、その時点でシーンの顔役と目されていたシャバカ・ハッチングスを筆頭に、ジョルジャ・スミスジョーダン・ラカイ、エズラ・コレクティヴ、ヌバイア・ガルシアら『We Out Here』以降の面々がひしめく豪華な一枚に仕上がっていた。また、同作以降にアルバムが話題になったポピー・アジュダやエマ・ジーン・サックレイ、ブルーノート入りしたブルー・ラブ・ビーツなどもいて、ある種の先物買い的なショウケースとしても結果的には機能していたわけだ。

VARIOUS ARTISTS 『Blue Note Re:imagined II』 Decca/ユニバーサル(2022)

 そんなわけでこのたび登場する同企画の第2弾『Blue Note Re:imagined II』にも期待してしまうのが当然である。今回のラインナップには『We Out Here』組からさらに先のメンツが揃い、すでに人気のエゴ・エラ・メイやヌビヤン・ツイスト、オスカー・ジェロームらフィーリングがブルーノートのイメージをより大きく膨らませている。

 もちろんこれから大きくなりそうな新進気鋭の面々もエクレクティックなモダンさを保証し、前回同様に〈ブルーノート〉や〈ジャズ〉を媒介として集まった、広い意味での現行UK音楽の先鋭たちのショウケースにもなっているのは言うまでもない。

2020年の『Blue Note Re:imagined』(Decca)