最近聴いてたCDを並べたら、たまたまそういう並びになったのですが、これも何かの縁。今回のテーマは〈血〉です。私tofubeatsは血圧が低すぎて、いつも採血の時に血がすぐ出なくて困ります。そんな私でも聴けば生きる気力が満ち満ちてくる3枚……と言いたいところですが、いつも通り深まった秋の暮らしにピッタリ、少々物憂げ(?)な3枚をご紹介です。

 

LIANNE LA HAVAS Blood Warner UK(2015)

こういうシンプルにいい作品は本当に自分にハマったか判断するまで時間がかかりますが、発売から数か月、一軍のプレイリストから消える気配をまったく見せません。最高に仕上がってるリード曲“Unstoppable”がとにかくビックリするほど優雅。一方でボトムも疎かにされてない仕上がりに、ただただありがとうございますといった感じです。MVも素敵なんですが、これよりさらにシンプルでも全然大丈夫そうな強さ。

 

 

MATTHEW E. WHITE Fresh Blood Domino(2015)

視覚障害のカップルを題材にした“Vision”のMV、特段インパクトがあるわけではないのですが、ビデオ全体を纏っている雰囲気になんとも言えない気分になり、気になってアルバムを買ってみたらド頭から“Take Care My Baby”が流れ出して心を掴まれました。YouTubeの再生回数とか見てもそんなに話題になってない! なぜだ! 本人の見た目だけはなんか意外すぎですが、とっても真摯な名盤です。

 

 

BLOOD ORANGE Cupid Deluxe Domino(2013)

2013年リリースの金字塔をなぜ今紹介なんだといった感じですが、テーマが〈Blood〉なもんだからこれは見過ごすわけにはいきません。っていうか本連載でこれを紹介してなかったことに驚きです。デヴ氏のありあまった切なさは2015年もズバズバ刺さります。っていうか マシュー・E・ホワイトといい、ドミノはほんとこういう感じでいっぱいリリースしてくれてありがたい限りです。アレックスGもまさかのドミノからのリリースがアナウンスされましたし、残りの秋はそちらの新譜を楽しみに。

 

tofubeats(トーフビーツ)
90年生まれ、神戸在住のトラックメイカー。RIP SLYMEライアン・ヘムズワース平井堅SMAP藤井隆らの作品に関わり……というか、待望のニュー・アルバム『POSITIVE』 (unBORDE)はもう入手した? それに前後して、リミキサーとして参加している矢野顕子スカイラー・スペンス各々の新作も到着。その他の詳細は〈www.tofubeats.com〉でいますぐチェックを!