今年の2月ごろ、〈YouTubeに上がっている中国の動画でテーマソングを歌っている人が、かつて活動していたあるシンガー・ソングライターに似ている〉として、Twitterやmixi(!)などのごく一部で話題になった。
番組名は〈我住在这里的理由(私がここに住む理由)〉。和之梦(ワノユメ)という動画制作会社が制作した、さまざまな在日中国人もしくは在中日本人を追った短編ドキュメンタリー動画だ。再生回数はのべ3億回を超え、その人気ぶりがうかがえる。
この番組のテーマソング“Country Color”を歌っているのがmachiというアーティスト。独特のハイトーンとコーラスワーク、そして自虐的なようでいて最後には希望の残る歌詞。たしかに誰かに似ていないこともない。楽曲は中国国内向けに販売も行われているが、正体は謎に包まれている。
今回はこのmachiというアーティストが何者なのか、和之梦(ワノユメ)とmachiに対してメール・インタヴューを実施し、その正体に迫った。
【和之梦(ワノユメ)への質問と回答】
Q.楽曲“Country Color”が、和之梦(ワノユメ)の手がける番組のテーマソングに選ばれた経緯を教えてください。
A.和之梦(ワノユメ)が手がける番組のテーマソングを制作する時に、一番にプロデューサーの竹内と趙萍の親友で作詞と作曲をされている友人のmachiさんにお声をかけさせていただきました。
早速快諾していただきました。
Q.楽曲は日本でも購入することは可能でしょうか?
A.現在のところ、日本で購入することはできません。現在、日本で販売する予定はないです。
【machiへの質問と回答】
Q.machiさんのプロフィールを教えてください。
A.日本でマイペースに音楽活動中。
作詞作曲もするが、特に、〈歌を唄う〉というシンプルなアクションが、実はこんなに気持ちが良く楽しい事だったんだと気付く今日この頃。
隔世遺伝か、歌が好きだった祖母は中国の天津育ち。祖父は台湾人。
皮から手作りの餃子や肉まんを食べて育ったが、自分では作れない。
Q.楽曲“County Color”が番組のテーマソングに選ばれた経緯を教えてください。
A.和之梦(ワノユメ)のプロデューサー竹内亮さんと、趙萍さんとは、古くからの友達だった経緯で、お声がかかりました。
どんな曲が良いかお尋ねしたら、竹内さんから〈何でもありだから!〉とフリーダムなゴーサインを頂いたので、本能の趣くまま張り切って作りました。
番組「我住在这里的理由(私がここに住む理由)」では“Country Color”、その他にも「冬冬与亮叔的私人假期(トントンと亮おじさんのプライベート休暇)」という番組がありまして、そちらのテーマソングで“Doremi Song”という曲も作りました。
この曲は、スキャットもしくは〈ドレミファソラシド〉としか言ってない(笑)曲ですが、テンポの良い、とっても楽しい曲です。
Q.楽曲は日本でも購入することは可能でしょうか? 日本での発表予定はありますか?
A.残念ながら、日本では購入頂けないそうです。
2曲とも、中国のみでの販売と聞いております。
Q.“Country Color”も“Doremi Song”も、演奏はインストゥルメンタル・ユニット、ササニシカ(SasaNishiKa)が行っています。楽曲はいつごろ制作されましたか?
A.2016年、秋頃に制作したかと記憶しております。
レコーディングの仕上げには、ササニシカのメンバーとマイクを囲み、“Country Color”では一緒にクラップ、“Doremi Song”では最後のサビを皆で大合唱しました。
Q.今後も楽曲を発表する予定はありますか?
A.まだまだ力不足ですが、僭越ながら、機会がありましたら、制作・発表できたらなと考えてます。
回答を断られてしまった質問もあり、結局machiが何者なのかはわからずじまい(ただしササニシカと縁があるアーティストではあるようだ)。しかし今後も機会があれば楽曲の発表はあるかもしれないようなので、それを心待ちにしつつ、今後もMikikiではmachiの活動を追いかけたいと思う。