度重なるドラスティックな変化や諸問題との衝突がありつつ、なお諦めの悪さと逆境への開き直りを集中力に転化したような約1年ぶりのアルバム。成田大致みずからの詞曲が増えているのも印象的で、BiSのゴ・ジーラとトリアエズ・ハナを迎えた泣き節の冒頭曲“誰にも邪魔されない部屋で始まる君のための協奏曲、第壱楽章”からその跳ね返すパワーは絶大だ。チャック・ベリー風のイントロからパンク~グランジ~ミクスチャーなどの変遷を大槻ケンヂの詞で巡る10分超のパノラマ“コンプレクサー狂想組曲”(ROLLY、人間椅子の和嶋慎治、木暮晋也、THE NEATBEATSのMr.PAN、空きっ腹に酒のユキテロが参加)の強力さは言わずもがな、隠しようもない感情の爆発をエンターテイメントに変えて圧倒してくる一枚。

 


6人の男女ヴォーカル+4人の楽器による大所帯バンドの新体制初アルバム。作家陣・ゲストが豪華なのでそこは各自でググるとして、いずれも暑苦しく汗だく必至の曲ばかり。特に10分にわたる“コンプレクサー狂想組曲”が現代版“ボヘミアン・ラプソディー”だなんて言い過ぎだろうか?