全国のタワーレコードの音楽好きな店長が今おすすめしたい1枚をピックアップし、店頭やオンラインで展開する企画〈マスターズチョイス〉。Mikikiでも選盤とコメントを月~金曜日に毎日紹介します。本日は、あべのHOOP店の土井仁志さんがメアリー・イン・ザ・ジャンクヤード『Role Model Hermit』を推薦。 *Mikiki編集部
不穏で美しい音の迷宮へ。ロンドン発3人組デビューアルバム。
ロンドンのオルタナティブロックトリオによるファーストアルバム。誰かに言い触らしたくなる、最高に不気味でスタイリッシュなバンド名。ジャケットの人物の〈ぎろり〉とした視線に導かれるかのような歪(いびつ)で美しい空気感に満ちた、底知れない中毒性を放つ傑作。ヴェルヴェッツの如く不穏で気だるいアートロックのサイケ感、へろへろとしたペイヴメントのピュアな親近感、デスキャブの緻密なエモさ……。複雑なからくりから繰り出されるギターの不気味な旋律が中毒的な③。トーキング・ヘッズを彷彿とさせる民族的なビートでまるでパラレルワールドを垣間見せるかのような④。スネイル・メイルやサッカー・マミーのような、渇いたガールズインディの美しさが眩しく弾ける⑤⑥。寄せては返す波のように美しいマジー・スターのようなスローコアナンバー⑦。美しい旋律とアルペジオに息を呑む⑨。ビオラとギターの残響エフェクトがリスナーを妖しく美しくジャンクヤードへと招き入れていく……。ダークウェーブ、フォーク、マスロックが不穏に交錯する、底知れない中毒性を孕んだアンサンブルに邂逅する魅惑の1枚。
