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部室に置かれたキャンパス・ノートを覗き見しちゃいましょう!

HARRY NILSSON Popeye: Deluxe Edition The Boardwalk/Varese Sarabande(2017)

 へっくしゅん……天の声のようなものに噂されている気もしつつ、構わず最近のお気に入り盤を紹介するでござる。まずは80年に全米で公開された映画サントラの拡張版『Popeye: Deluxe Edition』(The Boardwalk/Varese Sarabande)。ハリー・ニルソンが作曲&プロデュースを、ヴァン・ダイク・パークスがアレンジを手掛けていて、ノスタルジックで楽しく、洒落っ気に満ちたサウンドのオンパレード。いわゆる〈バーバンク・サウンド〉の粋を凝らした逸品で、インディー・アメリカーナ特集の作品群とも並べて聴けるでござるよ。

JERRY YESTER Pass Your Light Around Omnivore(2017)

 続いてはモダン・フォーク・クァルテットやラヴィン・スプーンフルのメンバーにして、トム・ウェイツやティム・バックリーのプロデューサーとしても名を馳せるジェリー・イエスターの編集盤『Pass Your Light Around』(Omnivore)。彼が70年代にひっそりレコーディングしていたソロ曲から成る一枚で、何とすべてが未発表音源! 人懐っこくて温かみのあるメロディーと歌声が沁みるでござる。いつかちゃんとしたアルバム形態のリーダー作を作ってほしいでござるな。

THE ORCHIDS Who Needs Tomorrow... A 30 Year Retrospective Cherry Red/BAD FEELING(2017)

 お次はグラスゴーのオーキッズによる2枚組のベスト盤『Who Needs Tomorrow... A 30 Year Retrospective』(Cherry Red/BAD FEELING)。いまはなきギター・ポップの名門レーベル、サラの看板グループのひとつとして知られながらも、ほとんどのカタログが入手困難だったこともあり、代表曲がまとめて聴けるだけでも大満足でござるが、さらに再結成後のナンバーや本作のために再録音した曲などもチェックできるので、ギター・ポップ/ネオアコ好きなら避けては通れぬ編集盤でござるよ。

 

ELIAS HULK Unchained  Young Blood/Repertoire/MARQUEE/BELLE ANTIQUE(1970)

 最後は、エリアス・ハルクによる70年発表の唯一作『Unchained』(Young Blood/Repertoire/MARQUEE/BELLE ANTIQUE)。気を失いそうになるくらいダサいジャケットも印象的なブリティッシュ・ブルース・ハード・ロック盤が、紙ジャケ仕様かつ最新リマスターでリイシューされたのでござる。気合いと迫力で乗り切ったテクニック皆無の暑苦しすぎる演奏は、もはやB級を超えてZ級の域。このダメさ加減が愛おしくてたまらないのは、きっと私だけじゃないはず。 *天空海音