ポップ・ミュージックに愛された類稀な3兄弟、英国きってのハーモニー一家、ナイト・フィーバーの申し子たち……そんな呼び名はともかく、楽曲以外のビー・ジーズをあなたはどれだけ知っている?

 ドキュメンタリー映画「ビー・ジーズ 栄光の軌跡」の日本公開が始まり、それに合わせてオリジナル・アルバム全20作がSHM-CD仕様(日本盤のみ)でリイシューされたばかりのビー・ジーズ。この機会に改めて彼らの魅力を……というか、思えば最近でもDJキャレドとドレイク&リル・ベイビーによる“Staying Alive”の大ヒットが記憶に新しかったりするし、“Whisper Whisper”(69年)が映画「クルエラ」(2021年)で使われていたり、スタンダード化した彼らの楽曲を何らかの機会で耳にすることは決して珍しくない。特に日本においては、“First Of May”(69年)のような定番曲がドラマ主題歌になってリヴァイヴァル・ヒットしたり、映画「小さな恋のメロディ」(71年)で知られる“Melody Fair”などが近年もCMソングで使われたり、さまざまな時代の名曲が長きに渡って愛されている。そして、母国UKや第2の故郷たるオーストラリアでの浸透ぶりは恐らくその比ではないだろう。グループの長兄バリー・ギブが往年のナンバーをカントリー解釈で取り上げた昨年のソロ・アルバム『Greenfields: The Gibb Brothers Songbook Vol. 1』も、全英/全豪チャートで見事に首位を獲得していた。そのように、自然にそこにいるような感覚で、すでに多くの受け手のさまざまな場面に入り込んでいるのだ、ビー・ジーズのメロディーと歌声は。