APOCALYPSE SOON♪

Crossfaithが私にとって〈よっぽど〉な理由

Crossfaith〈ACROSS THE FUTURE 2014〉より  photo by Teppei Kishida

 

ハードコアもメタルも本来すごく好きなんですが、ホントここ数年は自分のロック離れが甚だしく、よっぽど気に入ったものじゃない限り、もしくは昔から好きで新作が出れば自動的に買うようなヴェテランを除いては、なかなか個人的に音源を買おうという気持ちになることがあまりない。でも、Crossfaithは自分でもびっくりするくらい好きで、音楽はもちろん、国内外を問わないグローバルな活動ぶりも含めてすごくリスペクトしています。

【参考動画】Crossfaithの2012年のミニ・アルバム『ZION EP』収録曲“Monolith”

 

初めてCrossfaithのライヴを観たのは昨年の〈サマソニ〉。それまでも彼らの作品は聴いていたし、もちろんカッコイイと思っていたけど、〈これはマジでヤバイ〉と確信したのは、大変遅ればせながらその時だったかなと。オープニングでは「2001年宇宙の旅」のテーマ(のリミックス・ヴァージョン、本家をバッキバキにした感じ)をバックに、メンバーがひとりずつステージに登場するのですが、まあその壮大さたるや! どんな大物が登場するんだ!という、ヘッドライナー以上にヘッドライナー的な演出が笑ってしまうほどカッコ良くて(カッコ良すぎて笑うしかないときありません?)、その時点で完全に落ちました。

後はもう言わずもがな、緩急とか抑揚とかバラードという言葉は俺の辞書には載っていないようで、最初から最後までMAXに振り切った状態で展開し、彼らの次に控えていたTEAM H待ちのファン(主に熟女の方)が良い意味で巻き込まれていたことを私は見逃しませんでしたよ。畑はどうあれ――とはいえTEAM Hの音楽を好きな人がCrossfaithも好きになることは想像に難くないけどね――やべ~勢いですげー盛り上がるものはそんなくだらない垣根は超えていくことを確認しました。じっとしていられない衝動。そのライヴを観ての私の感想、第一声が〈なんだあれ〉だったことはずっと忘れないでしょう。ちなみに、今年の〈サマソニ〉ではCrossfaithの後がCNBLUEでした。

【参考動画】Crossfaithの2013年作『APOCALYZE』収録曲“Countdown To Hell”
 
【参考動画】TEAM Hの2013年作『I JUST WANNA HAVE FUN』収録曲“What Is Your Name?”

 

その後、東京でのライヴにはちょいちょい足を運んでいましたが、昨年末の渋谷CLUB QUATTROでの公演は、それまで観たなかでいちばんエモーショナルだったかもしれません。いま(というかその当時)のCrossfaithのスタイルを高いクォリティーで楽曲に落とし込んだ最新アルバム『APOCALYZE』を引っ提げたヘッドライン・ライヴをじっくり堪能したわけですが、ステージ上のバンドとオーディエンスのヴァイブスがこれ以上ないほど見事に合致していて、1曲1曲の密度も濃い濃い! それらを文字通り〈噛み締める〉ように味わうなか、何度も押し寄せる昂揚感にグッとくる瞬間が多々。あらゆる条件がガチャン!とぴったり合わさった、稀に見る完璧な空間が出来上がっていたと思います。いまも思い出しながら若干涙目ですよ。

 

Crossfaith〈ACROSS THE FUTURE 2014〉より  photo by Teppei Kishida

 

そういうバンドゆえ、今年の夏にUKの〈Download〉〈Reading/Leeds〉といった世界的なフェスのメイン・ステージに立ったことに、実はそこまで驚きはありませんでした。もちろん数年に渡る海外での地道な活動が実を結んだわけで(しかも結構な早さで)、日本のバンドがそんなステージに立ったということをわれわれは誇りに思うべきところです。でも、こう言うと失礼に聞こえるかもしれないのですが、なんだか普通のこと――〈Crossfaithなら〉そうでしょう、というふうに思えて。

【参考動画】Crossfaithの2013年作『APOCALYZE』収録曲“We Are The Future”

 

冒頭に書いた〈よっぽど気に入ったもの〉の〈よっぽど〉というのが、自分のなかで具体的にどういうものかとふんわり考えてみたんです。簡単に言うと、〈他に比べるものがないもの〉だよなと。いまや、なんのルーツも持たないまったく新しい音楽が出来ることはほぼないのかな~と思っているし、特別それを求めているわけではないけど、先人の血が流れていながらもその人(たち)にしか出せない音、記名性のある音を提示しているアーティストは本当に素晴らしいし、私はそういう音楽に震えるような感動を覚えます。どこに行っても浮いちゃうタイプというか。Crossfaithはまさにそうで、(メンバーの思惑とは違うと思うけど)エンター・シカリの初期を思わせるなとか、サウンドから連想されるあれこれはあるものの、重さなどを含めたサウンド・プロダクションにおける一種の過剰さ、エレクトロニクスが使われていながらも生々しい身体性、そして……言葉にならない部分で、邦楽っぽいとか洋楽っぽいとか○○っぽいとかを不用意に言い切れないオリジナルなスタイルを感じます。きっと海外のリスナーにも、私が最初に観たライヴで感じたような〈なんだあれ〉の衝撃があったはずで、その衝撃の連鎖が今年の夏の快挙に繋がっているんじゃないかと。もし彼らが例えば海外の〈THEメタルコア〉なバンドと似たような音楽をやっていたら、果たしてここまでのことが成し遂げられていたでしょうか。

そして先日、ニュー・シングル“MADNESS”がリリースされましたね。プロデューサーはここ2作を手掛けていたマシーンからデヴィッド・ベンデスに替わり、バンドがまた新しいフェイズに突入したことを感じさせるナンバーになっています。おそらく来るアルバムへの道筋となる作品なんでしょうね。変わらずに変わり続けてくれたらいいな……いまはそんな気持ちでおります。

【参考動画】Crossfaithの2014年のシングル“MADNESS”

 

今年の〈サマソニ〉では、MCで〈いつかメイン・ステージのヘッドライナーとしてステージに立ちたい〉という趣旨のことを言っていました。その話を聞いた後に、私はメイン・ステージのスタジアムへ向かったのですが、やっぱりあの会場は……デカイ! しかもまだ日本人のアーティストがトリで立ったことはないんじゃないでしょうか? でもね……なんかその日が来てしまうような気がするんです。やれちゃうんじゃないかな……という直感。やっぱりCrossfaithのライヴの壮大なオープニング演出(最近は「2001年宇宙の旅」ではないようですが、あれはやっぱ最高)はスタジアム級の(夜の)ステージを想定しているのだろうから、本来あるべき場所でジャーン!とやらなければ! それを観て、今度は笑うだけでなく号泣したい。

そんなこんなの……偏愛ブログでした。また、わがMikikiでのCrossfaithの連載も好評でございます。このブログに辿り着いてくれた人で読んだことない人はあまりいないかもしれませんが、毎回エキサイティングなエピソードが盛りだくさんなので、引き続きよろしくどうぞ!

 

【プロフィール】
加藤 直子

加藤 直子

東京都渋谷区出身のMikiki編集部員。タワーレコード入社後、書籍の制作をする部署を経て、bounce編集部へ配属に。なんやかんや楽しい経験をしていまに至る。もはや〈どういう音楽が好きなんですか?〉と訊かれることが結構しんどい雑食リスナーかも。大きくなったらメルボルンに住みたい。

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