全国のタワーレコードのスタッフが、己の〈耳〉と〈直感〉だけを基準に世間で話題になる前のアーティストの作品をピックアップし、全店的なプッシュへと繋げる企画〈タワレコメン〉。これまで、相対性理論神聖かまってちゃんクリープハイプceroKANA-BOON、洋楽ではストライプスチャーチズといった現行シーンの最前線で活躍するアクトをいち早く発掘しており、現在は月1回のペースでオススメ・アイテムを紹介しています。Mikikiでは、そんなタワレコメンの選定会議に潜入し、作品の魅力を視聴コンテンツと共にお伝えする特集を連載中! 今回は2月度の洋楽編です!!

※つい先ほど2015年3月度のタワレコメンが決定! 詳細はこちらでご確認を!

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タワーレコードの本社にて行われるタワレコメンの会議。今回も音楽通のスタッフたちが〈これぞ!〉というオススメ作品を持ち寄り、タワレコメンの狭き門を通過するための熱いプレゼンを繰り広げました。何百タイトルという新譜のなかから候補作に挙がったのは……!?

まず登場したのは、アヴァランチーズを引き合いに出されるサンプリング・センスで会議室の空気をポップに明るく彩ったUSのグループ、TVガールのデビュー・アルバム『French Exit』。ブライアン・ウィルソンフィル・スペクターの系譜に連なるスウィート&ウェルメイドなポップスで音楽通を唸らせる本作は、実は配信とアナログでリリース済みの一枚(「レコードを買った」というスタッフも!)。待望のCD化でさらに多くの人に届きそうな予感!

 

 

次は、「日本での知名度はまだまだですが、本拠地のカナダやUSでは人気アリ!」との説明にも納得のスケールの大きなサウンドを響かせた大所帯バンド、ヘイ・ロゼッタ!のニュー・アルバム『Second Sight』。マムフォード&サンズボン・イヴェールらを想起させるフォーキーな透明感がベースにありつつ、コールドプレイばりの美メロ&歌声で聴き手を魅了する彼ら。日本人の耳にも馴染みやすい楽曲ばかりで人気を博しそう。

 

続いては、担当者が「2015年の音楽シーンの最重要作品の一つ」とゴリ押し(?)し、Mikikiでもトピックスで取り上げたブルックリンの新世代ラッパー、ジョーイ・バッドアスの初フィジカル・アルバム『B4.Da.Ss』。彼の二十歳の誕生日にリリースされた本作は、DJプレミアJ・ディラ(!)ら豪華メンツが手掛けたバック・トゥ・90sなプロダクションが玄人の耳も満足させること間違いなしの逸品。もちろん、バイヤーが「SIMI LABFla$hBackSのリスナーに聴いてほしい!」とオススメするように、若い世代にこそマストな一枚!

 

「とりあえずシュッとしたルックスが好み(笑)」という男性スタッフの本音コメントで紹介されたのは、バークレー音楽大学を中退後、ナッシュヴィルを拠点に活動している女性シンガー・ソングライター、ナタリー・プラスの初アルバム『Natalie Prass』。Pitchforkやガーディアンなどの辛口メディアからも評価の高い本作は、ビッグ・バンド編成での70sジャズ~80sソウル・ポップの上質な手触りを残しながら、線の細さのなかにも芯を感じさせる彼女の暖かいヴォーカルがじっくりと味わえる快作です。

 

次に紹介されたのは、アイルランド/ノルウェー/ブラジルという出身地がバラバラの男女によってリヴァプールで結成された3ピース・バンド、オール・ウィー・アーのファースト・アルバム『All We Are』。フレンドリー・ファイヤーズのマネージャーに見いだされ、名門ドミノ傘下のダブル・シックスからのリリースとなる本作は、すでにNMEもプッシュ済み。〈サイケデリック・ブギ〉と自称するドリーミーなサウンドに、ちょっぴりダウナーなヴォーカルが隠し味的にマッチして……これはクセになりそう。

 

会議の終盤に大きなインパクトを残したのは、渋谷にポップアップ・ショップがオープンするなど、いま最も注目を集めるレーベルのひとつ、US西海岸のバーガーから待望のCD化となったアクアドールズのアルバム『Stocked On You』(2013年にBandcampでリリース)。レーベルの魅力を伝えるカラフルなサーフ・ポップ~ガレージ・サウンドとオールディーズ風のコーラスはもちろん、バンドのフロントに立つメリッサ・ブルックスのとびきりキュートなルックスでも多くの男性スタッフをメロメロにした模様です!

 

ラストは、メイヤー・ホーソーンが名プロデューサーのジェイク・ワンと組んだタキシードの初アルバム『Tuxedo』。先月の会議でいうところのマーク・ロンソン『Uptown Special』級のビッグ・ボムは、Mikikiでもピックアップした〈間違いない〉一枚。ヴィンテージ・ソウルやディスコ/ブギー、Gファンクなど数々の引き出しから熟練の手腕で組み立てられたプロダクションの完成度は、先行カット“Do It”でも証明済み。ディスコ界の伝説的リミキサー、ジョン・モラレスがミックスを担当するという徹底ぶりに感服!

 

ということで、今回もさまざまなタイプの良盤が次から次へと飛び出したタワレコメン会議。さぞかし困難であろう選考から多数決で選ばれたのは……!?