昨今のアメリカーナ・ブームに興味があるなら絶対に聴いてもらいたい。ジャズ・ベーシスト、チャーリー・ヘイデンの娘3人がカーター・ファミリー“Single Girl, Married Girl”をはじめ、子供の頃に聴いていたという昔懐かしいカントリー/フォーク・ソングをカヴァーしたアルバムだ。プロデュースは3姉妹にレコーディングを勧めたライ・クーダー。曲が持つオールドタイミーな魅力を損なわない程度に、演奏に躍動感を与える匙加減も見事だが、何より彼女たちのクロース・ハーモニーを最大限に活かした作りが素晴らしい。その歌声の虜になったジャック・ホワイトが、自身のレーベルからリリースしたいと申し出たことも大きなトピックだろう。素朴な味わいと郷愁に、誰もがウットリしてしまうはず。