日本ではまだあまり知られていないカンタベリー出身のバンドによる4作目。70年代にプログレ/ジャズ・ロック・バンドが群雄割拠していた同地の伝統を受け継ぐ、知的なサイケ趣味が持ち味。やや湿り気を帯びたキーボードやヴァイオリン、憂いのあるヴォーカルが英国らしい叙情を醸していて雰囲気たっぷりだが、同時に今日的なポップセンスも兼ね備えているので聴きやすい。プログレの現在進行形を提示した頼もしい作品。