〈コメディー界のビートルズ〉とも称されるイギリスのコメディー集団、モンティ・パイソンのメンバーであるテリー・ジョーンズが77歳で亡くなった。モンティ・パイソンから多大な影響を受け、彼が演じてきた数多くのキャラクターや親友マイケル・ペイリンとともに書かれた傑作スケッチに爆笑してきた自分としては、心が切り裂かれてしまうのではないかと思うくらい悲しく、寂しい。昨年末には、〈7人目のパイソン〉とも言われたニール・イネスも死去したし、本当にキツい。
コメディアンとしてだけではなく、映画監督や歴史学者など多岐にわたって活躍していたことでも知られるテリー・ジョーンズですが、今回はモンティ・パイソンでの彼について書いていきたい。
それぞれのメンバーが得意のキャラを持っているモンティ・パイソン。テリー・ジョーンズといえばやっぱり、金切り声でわちゃわちゃ言うおばちゃんキャラでしょう。有名なところでは、何が何でもスパム入り料理を勧めてくる女性を演じたスケッチ「スパム」ですかね。あと、海外開発大臣となった息子に対していつまでも赤ちゃん言葉であやし続けるおばちゃんもいい。
凶悪度の高さでいうと、アーサー・ユーイングとネズミ交響楽団による「ネズミ虐待オルガン」がダントツか。オルガンといえば、名作「恐怖のブラック・メール」(劇場版)などで演じた全裸オルガン奏者(ただし、ネクタイのみ着用)も最高。また、「恐怖の殺人ジョーク」で実験台にされる兵隊さんや、エリック・アイドルの人気作「ナッジ・ナッジ」で質問攻めにあう紳士など、メインではない登場人物を演じた際の細かな表情が忘れられません。
なお、未見の人にはベスト盤的な楽しみ方ができる劇場版「モンティ・パイソン・アンド・ナウ」(71年)がいいかも。それでハマったなら、テレビ・シリーズが配信中のNetflixを活用するのがおすすめです。
英国産コメディー好きにとって今週末は悲しい休日になるかもしれないけど、テリー・ジョーンズが監督を務めたモンティ・パイソン映画「ライフ・オブ・ブライアン」(79年)のラストで流れる名曲“Always Look On The Bright Side Of Life”に耳を傾けて、口笛吹いたら結構明るい気分になるかもよ。知らんけど。