題名の想像力がこの講義のような本のテーマ。ジブリが何を想像したというのでもなく、その想像が何を手繰り寄せたのかというのでもない。想像力が何か、それがジブリ作品にどんな風に表れているのかということから始めて、著者は作品の主人公が頻繁に空中に浮かび、落ちる、そして走ることも浮遊として描かれるていることに注目する。そもそも飛翔が生物に俯瞰、客観と主観をもたらし、世界を与えたと紐解き、この飛翔の意味への気づきこそがジブリの創造する世界に力を与え、宮崎駿ら、飛翔の天才を生んだという。確かにドローンの不動の視点にはない、揺れ動く飛翔の運動が錯覚を生み、それがアニメという次元をもたらした。