メルボルンを拠点に活動するマイルドライフは、グルーヴを自在に操るサイケデリック・ジャズ・バンドだ。その技巧はこのサード・アルバムでも輝きを放っている。ポリリズムを駆使した複雑なビートのみならず、イタロ・ディスコを彷彿させるいなたさが漂うリズムも刻む。彼らの音楽は便宜的にジャズと形容されがちだが、パーカッションやシンコペーションが映えるベースを聴くと、豊富な音楽的引き出しを備えたバンドであるのがわかる。ゆえに本作は、ベッドルームで一人聴くも良し、大切なパートナーとのドライヴのBGMとして流すも良しという順応性抜群のポップソング集に仕上がった。