
No Limited SpiralやDeGraceで駆け抜けたVesper the Aerial前史
――2人はどういう出会いを?
Kiske「当時やっていた大学のオリジナルバンドで、No Limited Spiralと対バンしたんですね。みんなド派手な長髪でかっこいいなと思ったんですけど、その後、NLSからボーカルが抜けたタイミングで僕が誘われたんです。それで行ってみたらReNもいたんですよ」
ReN「ボーカルとギターの方が抜けて、僕も声をかけられたんです。メロディックデスメタルをやりたいと思っていたとき、No Limited Spiralのオーディションに参加することになって。それで2人とも加入することになったんです」
Kiske「さっき話したErrorのドラムはNLSのKegoiさんやったんです。だから、NLSと対バンしたとき、憧れの気持ちがあったんですよ。Kegoiさんがとんでもなく重い音で叩いてて」
――自分が加入することになるとは思ってもみなかったでしょうね。
ReN「そこでKiskeと出会ってから、しばらく一緒にやって……」
Kiske「1年半ぐらい? めっちゃ駆け抜けたな」
――KiskeさんのNo Limited Spiralでの活動は短期間で終わったんですね。
ReN「電話がかかってきて、いきなり〈俺、辞める〉って言い出したんです。しかも〈ReN、歌えるやろ?〉って(笑)。で、その2週間後ぐらいに僕はギター&ボーカルとしてNLSでデビューするっていう(笑)。
その後もなんだかんだやりとりしつつ、また一緒にバンドをやったり……腐れ縁みたいな感じで続いてきました(笑)」
Kiske「NLSの脱退後、一時期ニューメタル~デスコアのバンドを覆面でやってたんですけど、そこでもReNと一緒にやってたんです。
で、なんだかんだあって久々にDeGraceというVesperの前身バンドを復活させようとなったときに、ライブサポートにReNを誘って……」
――DeGraceはNo Limited Spiralを辞めた後に活動していたバンドですね。
Kiske「はい。僕が2代目ボーカリストなんですけど、NLSを辞めて暇してたときに誘われて。ただ、マネジメントとかデザインとか、外に向けた発信があまり視野に入ってなかったっぽくて、僕が全部やることになったんです(笑)。
そこで自分が主体的に動かすんやったら面白いことをやったろと思って、イベントを企画したり。今、メタルやハードコアシーンの中核だったり、重鎮だったりする人たちにも早いうちから出てもらってました。イタリアのデストレイジの来日公演を大阪で主催したこともありましたね。
そのうちに拠点を東京に移すことになったんですよ。それでしばらく活動したあと、色々うまくいかなくなり、活動を続けることに納得がいかなくて僕は脱退することにしたんです。バンドは残ったメンバーで改名して続けたみたいなんですけど、それも中途半端に終わったようで。
心血注いだバンドがそういう状態で終わったことに悔いが残ってたんですよ。だから、もう一回、大阪で活動していた頃のメンバーと一緒にやりたいなと思って、あらためてDeGraceを始めることにしたんです。ただ、活動するなら昔の曲しかやらないんじゃなくて、ちゃんと新曲を作りたかった。そこでReNに加わってもらって、活動をコンスタントにしようと。そもそもReNがメロディックデスメタルをやらないのが、マジで損失やと思ってたんです」
ReN「(笑)。No Limited Spiralが活動休止したとき、僕は音楽が嫌いになりそうなレベルでバンド活動が嫌になってたんです。そんな中で純粋に音楽を突き詰めようって始まったのがKeg’s Towerというプログレのインストバンドやったんですね。それを始めてから、またバンドへの誘いを結構いただいたんですけど、断ってたんです。
ところが、ある日、Kiskeから電話がかかってきまして。〈DeGraceを復活させようと思ってんねんけどギターがおらん。しかも、コーラスも必要やねん。一人おるやろ〉って。〈俺か!〉と(笑)。元々サポートをやっていたし、サポートやったらいいよと引き受けたんです。
その後、コンスタントにやるんやなと思ってたら、〈曲が必要やねん〉って言い出して。〈誰か作らへんの?〉って聞いたら、〈作れるメンバーがいなくて。ReN、作ってくれへん?〉ってぼそっと言いよって。そんな感じで絡め取られていったんです(笑)」
――それが現在につながってくるわけですね。
ReN「そこで最初に書いた曲が、今回のアルバムに入ってる“Unexist Nostalgia”で。メロデスだけどスラッシュな要素もあってメタルコアの要素もあるみたいな、僕の中のDeGraceのイメージで書いたんです。そしたら〈めっちゃ良いやん!〉と褒めそやしてくれて、僕も気分が良くなってくるわけですよ(笑)。
だから、アルバムに向けて曲を書いていくことになったんですけど、僕が書くことによって(DeGraceとは)世界が違ってくるからということでバンド名を変え、加入することになったんです」
Kiske「コンスタントにやる以上は曲は作らないといけない。メロディックかつエクストリームな音楽で一番良い曲を書く人間は誰か。そう考えると彼しかいなかったんです」