©Keunho Jung

 “剣の舞”や“リベルタンゴ”をハーモニカとサックスで演奏する。なぜこの選曲?という違和感は、聴くと、その技巧と緻密なアレンジ、嬉々とした演奏に痛快感へと変わる。ハーモニカのパク・ジョンソンとサックスのブランドン・チェによる韓国出身のザ・ハーモニクス。1stアルバム『バウンドレス~境界を越えて』は、多彩な選曲で、世界でも珍しいハーモニカとサックスのハーモニーが楽しめる。

 「初めはクラシックの曲を探したのですが、途中で演奏したい曲のアイディアがいろいろ出てきて、ジャンルを超えた選曲に」(パク)

 「2人ともクラシックを学びましたが、この2つの楽器でジャンルの境界をいかに超えていくかが課題だと思っているので」(チェ)

The HarmonicS 『バウンドレス~境界を越えて』 MUSIC&ARTCOMPANY(2026)

 そんな境界を超えたいとの思いからアルバムタイトルも『バウンドレス』になった。収録12曲のなかには1999年の朝ドラのテーマ曲“風笛”もある。

 「オリジナルではオーボエが演奏していますが、ハーモニカの温かい音やサックスの深い音で、新しい風を吹かせてみたいと思ったこと。もうひとつは敬遠されがちなクラシックを親しみやすいものにしたいという気持ちもあって、この曲を録音しました」(チェ)

 さらにオカリナが印象的なモリコーネ作曲の“続・夕日のガンマン”など、この2人ならではの視点が生かされた選曲がアルバムをより魅力的なものにしている。

 「モリコーネの曲は、ハーモニカのソロでやっていたのですが、サックスと組むことでもっと力強い音楽になると思って。実際にコンサートで、楽器の相性もいいし、映画のシーンが浮かぶようだという反響が得られています」(パク)

 「反対に“剣の舞”は、サックスのソロでやっていて、ハーモニカと一緒にやったらおもしろいだろう。パクは世界No. 1のハーモニカ奏者なので、彼の実力なら出来ないことはないはず(笑)。それを見せつけたい気持ちもあったし、観客にローラーコースターに乗っている気分を味わってもらいたいと思って演奏しました」(チェ)

 2人のプロフィールには輝かしい実績が並ぶ。それでもクラシック界ではメインストリームの楽器ではない。その環境で相通じる音楽やコンサート、楽器への情熱がデュオ誕生へと導いた。日本での活動は、ソロ作品を含むCDリリースとコンサートから始まる。

 「タイトルの『バウンドレス』には国境を超えるという意味もあるので、来日公演が1回限りとならず、日本と長いお付き合いになればと思っています」(チェ)

 


EVENT INFORMATION
The HarmonicS「バウンドレス~境界を越えて」CD発売記念イベント

2026年10月18日(日)タワーレコード渋谷店8F
開演:16:00
https://towershibuya.jp/2026/10/1/233761

 

LIVE INFORMATION
Boundless Live in Tokyo 26

2026年10月20日(火)東京・市ヶ谷 ルーテル市ヶ谷ホール
開場/開演:18:30/19:00

■出演
The HarmonicS
Jong-Seong Park (Harmonica)
Brandon Choi (Classical Saxophone)
Younghoon Cho (Piano)
https://www.l-i-c.com/hall/schedule/event-4461/