オーディオ誌・レコード誌・FM情報誌で毎号名前を見ないことがなかった長岡鉄男。〈オーディオ評論家〉の肩書はサブカルチャーという言葉が出てくる以前、マンガ、コント、クイズ、ゲーム、カメラなど時代に求められるものを敏感に感じとった末に辿りついたものだったことを初めて知った。本書の中で長岡自身が書いているが健在だったらオーディオでない新しい分野に乗り出していたことだろう。好奇心の塊のような生き様とこだわりは今現在こそ求められそうだ。趣味や収集について〈願いごとはいつか、かなえられるものだと思う〉という文が心に刺さる。欲しい! という気持ちが人間の原点であることを実感させられる。