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【チアキの! 夢と魔法の映画感想文】第4話 ただのスポ根映画じゃない! 時代や性差別へのメッセージも込められた「ダンガル きっと、つよくなる」

―志麻子先生が心の支えです―

 

ディズニーをこよなく愛するシンガー・ソングライターのチアキ(ex.赤い公園)。しかし最近はディズニー作品と同じくらい(?)TV番組「5時に夢中!」にハマっているとのこと。特に木曜日の出演者・岩井志麻子先生が心の支えらしいけど、それって夢と魔法の世界とは程遠いのでは……!?

そんなシンガー・ソングライター界の女豹を目指すチアキが、ディズニー作品の観どころを紹介する本連載。第4回目に選んだのは、ディズニー・インド製作の実写映画「ダンガル きっと、つよくなる」です。今作は本日9月5日にBlu-rayとDVDがリリースされた感動の物語。それじゃあアリエル、きっと観たくなる感想文をよろしくね! *Mikiki編集部

【チアキの! 夢と魔法の映画感想文】記事一覧

9月に突入し、いよいよ秋口ですね! いちばん過ごしやすい季節(別名・金木犀の香りが容赦なく胸をエグってくる季節)がすぐそこまで来てますよ!!

今回ご紹介する作品は、そんな涼しさや、感傷に浸る甘ったるい夜とは無縁!! 汗水たらす熱血スポ根ムービーです!! ディズニー・インドが手掛ける、実話を元にした女子レスリング作品「ダンガル きっと、つよくなる」! スポ根モノが大好物なチアキにとって観ずにはいられない作品だよ(^O^)/

ニテーシュ・ティワーリー,アーミル・カーン ダンガル きっと、つよくなる ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン(2018)


〜あらすじ〜

レスリングを誰より愛する元選手・マハヴィルは、道場で若手を指導しながら、いつか自分の息子を金メダリストにすることを夢見ていた。

ところが、待望の子どもは女の子。その後、ありとあらゆる方法を試して男の子を授かるよう奮闘するが、結果は4人連続で女児。

マハヴィルは夢を諦め、4人の娘の父として真っ当に働くが……ある日、ケンカで男の子をボコボコにした長女のギータ、次女のバビータにレスリングの才能を見出し、翌日からふたりのコーチとして超スパルタな猛特訓を始める。

〈女の子がレスリングだなんて〉と一家は町中の笑いものとなるが、外野を気にも留めず、まったくブレずに指導を続ける父に、我慢ならない娘たちは反抗を企てる。……だが、娘たちは父の自分たちへの想いを知り、トレーニングに対する姿勢を変え、本腰を入れてレスリングと向き合いはじめるのだった。


 

本作はインドで莫大な人気を誇っており、インドのほか香港などでも歴代最高興行収入第1位に輝いた、世界中で話題になった注目作品!

男子にからかわれた妹を守ろうとして、いじめっ子をフルボッコにする姉と、それに加担する妹。おちゃめで強気なこの姉妹、なんと実在するインドのレスリング選手、ギータ(姉)とバビータ(妹)がモデルになっているのです。ふたりが男の子をボコボコにしたことから、父・マハヴィルは娘たちにレスリングの才能を見出し、翌朝5時から100パー強制的に猛特訓へと連れ出します。

 

ちなみにマハヴィル演じるアーミル・カーンは、日本でも大変話題になったインド映画「きっとうまくいく」や「PK」にも出演しているインドの大人気俳優。このアーミル・カーンが厳格な父の役なのにも関わらず、どこか愛らしく、インド映画のチャーミングな部分をまるでひとりで担っているようなパワーがあります。

話をストーリーに戻しまして……始まったマハヴィルの猛特訓は、まだ7~8歳の女の子にとっては地獄のように厳しいもので、父の乗るバイクに追いつかれないように走らされたり、着衣のまま橋から川に飛び込まされたり、男の子と土の上で砂まみれになりながら戦わされたり。観てる私はひとりポテトチップスをむさぼり食べながら、思わず〈キツ~~〉とつぶやいてました。

 

(どう見てもお前の方がキツイ……)

 

姉妹の通う学校の女子たちは髪をお下げにして身なりも可愛く振る舞うなか、ある日、姉のギータの長い髪はレスリングに邪魔だとマハヴィルに短く切られちゃうんだけど、その姿を見て笑う同級生たちに、姉妹は〈あんたの顔面をぶっ飛ばしてやろうか〉とふっかけます。

残念ながらこの時点ですでに、姉妹の強気な性格がレスラーに向いてますよね。ですが、このあたりから私は〈いくら何でも自分の夢を娘に押し付けすぎじゃないかマハヴィルさんよ……〉と、ふつふつ不満を募らせていました。

 

だがしかし!!!! この映画が支持される理由のひとつがここにありました。

インドの女性は、ただでさえ男性より地位が低いだけでなく、生まれた娘に家事と料理を覚えさせ、14歳で顔も知らない男の元へ嫁がせ、早々と厄介払いをさせられる……つまり親から道具のように扱われる……そんなことが実際にあるんだそうです。そんななかで、マハヴィルは娘たちに夢を与え、〈インドのすべての女性のために戦うんだ〉と、娘たちをひとりの立派な人間として扱います。

そういった点から、この作品はインドのみならず、多くの女性に勇気と希望を与えている作品であり、それが支持されている要因にもなっているというのです。娘たちにやりすぎなくらい厳しくするのは、相応の理由があるんですよね。

それを知ってしまったからには、マハヴィルの厳しさなくしてはこの物語は語れません。ただのスポ根だけではなく、現代という時代や男女差別に向けての力強く重いメッセージが込められているのです。

 

そんな父と共にどんどん強くなっていった姉のギータは、家族の元を離れ、専門の施設で世界的なコーチから指導を受けることになるのですが、ここで一波乱。ギータは初めて、自由な就寝時間、友達とのショッピング、恋、女子としての楽しみを覚え、なんと父の教えを忘れてレスリングで負け試合を繰り返すようになるんですね。そんなギータのために、父・マハヴィルは大荷物を持って彼女が暮らす施設へと旅立ちます。

もう、ここからのマハヴィルが頼もしいったらない!!

昔のように身体も上手くは動かず、どんどん弱くなっていたマハヴィルが、長女・ギータの元へ来て、再び生き生きと娘をトレーニングしだすシーンには自然と顔が綻びます。ここで再び闘志を燃やしたギータは、金メダルをかけた大会に挑んでゆくのです!!

 

書ききれないほどの名シーンが存在する今作ですが、特筆すべきうちのひとつが試合シーン。瞬きも惜しいくらいマジで観ていて飽きないですが、特に終盤の試合は目を離せない展開。しかもスゴイのが、理解力がめちゃくちゃ乏しい私でも、観終わる頃にはレスリングのルールをほぼ覚えてました(笑)。

2020のオリンピックは、TVでレスリング観戦しちゃお(v^_^)v

すべての戦う女たち、夢見る者たち、そして親子の物語でもある感動の今作。あなたもきっと、なんだかお父さんに会いたくなるはず(^ν^)

だんだんと涼しさを帯び始める秋の夜長に、ぜひいかがでしょう? きっと次の日の朝5時に起きて、バイクに追っかけ回されながら走りたくなりますよ(^○^)

 


PROFILE:チアキ
93年1月14日生まれ。2010年から2017年までは本名の佐藤千明でガールズ・ロックバンド、赤い公園のヴォーカリストとして活動。2018年からは名前をチアキと改め、Hilcrhyme・TOCのソロ・アルバム『SHOWCASE』への楽曲参加や、初のワンマン・ライヴを成功させるなど、ソロ活動を本格化させている。趣味は映画観賞・旅行・食べることで、大のディズニー好きとしても知られている。夢はディズニー・プリンセスになること。

Live Information
TOKYO CALLING 2018
9月15日(土)、16日(日)、17日(月・祝)東京・新宿、下北沢、渋谷の約30会場
※チアキの出演は9月15日(土)
イヴェントの詳細はhttps://tokyo-calling.jp/

中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2018
9月22日(土)、23日(日)岐阜県中津川公園内特設ステージ
※チアキの出演は9月23日(日)
イヴェントの詳細はhttp://solarbudokan.com/2018/

 

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