次代のジャック・ビーツかダック・ソースか、あるいはジャックUを追撃する最右翼なのか……何にせよそういうポジションのアップカマーが待望のアルバム・デビューだ。マーティン・ソルヴェグとの共作ヒット“Intoxicated”(2015年)で知られるGTAは、共にマイアミで育ったヴァン・トスとJWLSのコンビ。マッド・ディセントからDJファンクとの“Booty Bounce”を出して脚光を浴びたのは2012年のことで、以降はメジャー・レイザーやディプロとの共作で名を馳せ、ディロン・フランシスやDJスネイクらと同じエリートコース(?)を歩んできた。ただ、幻想的に女声の蠢く冒頭の“True Romance”からもわかるように、今作は妖美なスタイリングでトラップやディープ・ハウスをまとめた印象。ヴィンス・ステイプルズがスピットするクリスピーな“Little Bit Of This”もありつつ、全体の幻惑的なトーンはゲストに名を連ねるアイアムスー!やティナーシェらの作風にも近い。明るい野外ではなく深夜帯のクラブが似合うアーバンな一枚。
ディプロらとの共作で名を馳せた2人組GTA、妖美なスタイリングでトラップやディープ・ハウスまとめた初作は深夜のクラブが似合うアーバンな一枚
Warner Bros.