国内の洋楽ファンにとっては馴染みの深い〈ライナー・ノーツ〉。インターネットが普及した現代もなお、リスナーの絶えざる好奇心を満たす解説文として欠くべからざるサービスのひとつであるが、実はこれ、独自の進化・発展を遂げてきた日本固有の文化であるというのは、意外と知られざるところなのでは。本書では、その原型となる米英のアルバム・ノーツとの相違点、そしてポピュラー音楽を取り巻くメディアの変遷とライナー・ノーツの歩みをつぶさに検証。70年代から数多くのライナー・ノーツを手がけてきた著者による、音楽ライターを志す者のみならずポピュラー音楽ファン必携必読の一冊。