ソランジュやカインドネスの作品に関与し、デヴ・ハインズとのヴェイルヒムなるデュオでも活動中のNYに住むプロデューサー/シンガー・ソングライターのソロ・プロジェクト。パーラメントの75年作『Mothership Connection』に登場するエイリアンから芸名を拝借した彼のファースト・フル・アルバムは、安っぽい未来感が何とも愛おしい一枚に。Pファンクはもちろん、80sのエレクトロ・ファンクやブラコンへの強い憧れを抱きつつ、それをすりガラス越しで眺めているようなモヤモヤ感がイマっぽくて、大袈裟じゃなくジェイムズ・パンツ(過去に共演経験もあり!)とブラッド・オレンジを足して2で割ったような内容。アップもスロウもお手の物だが、特にレイドバックしたメロウ・チューンでの切ないファルセットは、フランク・オーシャンを比較対象に挙げたくなるほど。歌い手として、トラックメイカーとして、本作を機に世界へ羽ばたくこと間違いなしの逸材だ。