彗星の如く現れた、現在20歳のフィメール・ラッパー、Elle Teresa。舌っ足らずなフロウとギャル的な出で立ちがとにかく目立ち、そのキャラクターに面食らったリスナーも多いかもしれない。昨年リリースしたミックステープ『PINK TRAP』で自身のラップ・スタイルを確立した感がある彼女が放つ、念願のデビュー・アルバム。InstagramのDMがきっかけで知り合ったというアトランタのフィメールMC、バリ・ベイビーをフィーチャーした“ZOMBITCH”、ボスと慕うYuskey Carterとの“Astroberry Shake”などでもはや板に付いた攻撃的なフロウを聴かせるかと思えば、“My Shoes”や“YMIL”などではスムースな甘めヴァイブスでグイグイと攻める。USのシーンを賑わせるリル・パンプやリル・ヨッティ、それにカーディBらを彷彿とさせる柔軟性のあるフロウと悪びれないデカめの態度が爽快感を生み、新たな日本の女子スタンダードの誕生を予感させる出来だ。