インタビュー

入野自由“FREEDOM” 向井太一が提供したシックかつエレガントなR&Bから滲む、自身の根底にある感情

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その時々の興味に忠実なシンガー・入野自由のこれまでの歩み

 本文に登場したタイトルのほか、直近だけでも「おそ松さん」「君の名前で僕を呼んで」「銀河鉄道999」といった人気作品に参加し、声優、舞台俳優、歌手とさまざまな表現の場を往き来する入野自由。ここでは、彼がソロのシンガーとして歩み出した2009年以降のアルバム作品を追い掛けてみよう。

 まずデビュー作の『Soleil』には、当人の爽やかなキャラクターが反映された全6曲を収録。アップからスロウまで滑らかに場面転換するなか、ほんのりアイリッシュな意匠の“Always,”といったアクセントも。そして、翌年にはフル・アルバム『vivid』を発表。Tom-H@ck製の先行シングル“Faith”の流れを汲んだダンス・ロック“DICE”やコミカルなエレポップ“BANANA---NA, BOAT!”といった新味に加え、“Showing up”では初めて作詞にトライ。本文にある〈それでもやっていく〉という意識は、この曲からも感じ取ることができる。

 その後は、2011年の『Advance』から4枚のミニ・アルバムをリリース。同作はエレクトロニクス色を強めた冒頭の数曲に始まり、ラストまでフィジカルなステップを誘う仕上がりだが、そこから打って変わり、続いての『cocoro』はバンド・サウンドを中心にした生感のある楽曲で構成。前作では封印されていたバラード“Still”“ジレンマの夜”でしっとりと歌を聴かせつつ、ポップ・パンク調の“ワンダフルデイズ”やパワー・ポップな“Go way!”あたりのラウドな2曲が新鮮だ。そうした方向性は、そこから約1年半を空けての『E=mc2』にも継承。重めなギター・サウンドとシリアスなヴォーカルが交錯する“Loud!”のほか、今回の“FREEDOM”と近しいマインドを覗かせる自作曲“それでもなお”もここに収録されている。

 そして、軽快にスウィングするミュージカル調の“THE REVUE”や、レーベルメイトの浪川大輔がコーラスで参加した“不埒なセッション”といったオープニングの2曲から華やいだムードが感じられる『僕の見つけたもの』で音楽的な幅を広げた彼は、2枚目のフル・アルバム『DARE TO DREAM』でさらに多彩なコラボを披露。尾崎雄貴(元Galileo Galilei/現Bird Bear Hare and Fish、warbear)、シミズコウヘイ(元カラスは真っ白/現sooogood!)、Mummy-D(RHYMESTER)、マツキタイジロウ(SCOOBIE DO)、TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN FUNDらを作家に迎え、各々の個性が炸裂した楽曲に持ち前の歌唱力で対峙している。ファンク風味のナンバーもチラホラ見られるが、ソウルフルであったり、ユーモラスであったりと、最新シングルとは異なる一面を楽しむことができるので、聴き比べもぜひ。 *bounce編集部

入野自由の作品。

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