ケン・ヴァンダーマーク参加と書くと、このカルテットの音楽とはあらぬ方向へと想像が働くかもしれない。メンバーのコンポジションをアンサンブルすると書いたところで印象は定まらない。ベースレスのこのアンサブルの魅力はジャズ。モーダルではなく、トーナル(いや音響的にか)アジャストされたコレクティヴなアンサブルをまとめているのはドラマーのトム・レイニーだ、多分。うまい落とし所を作っている。しかし、ジェイソン・モラン、スティーヴ・コールマン、ダフニス・プリエトと並ぶ才人、ケンの音楽はまだ十分紹介されていないのでは。マーク・ターナー、スティーヴ・リーマンとともに注目!