フィンランドの音楽といえば、ローディやヒムといった暗黒系メタルの印象が強いが、そうしたイメージとは真逆の眩いインディー・ポップ・バンドを、日本のリスナーに紹介しているのが大阪のレーベル、Rimeoutだ。このローンも、同レーベルが発掘した若き4人組。本作は、2016年から今年にかけての楽曲をまとめた日本限定盤のミニ・アルバムになっている。

物憂げな歌声と艶やかなギター・アルペジオ、線の細さすら愛おしいリズム隊が舞うように走るサウンドは、スミス直系でギター・ポップの王道と言えるもの。寂寥感のなかにガーリーさが香るジャケット・アートワークも見事にマッチしている。その一方で、冒頭を飾る最新曲“Tell Me”には、これまでより男っぽさも感じられ、徐々に逞しくなっているのかな……なんて想像も。ブリット・ポップ期のUKで人気を博したジーンを彷彿とさせる瞬間もあり、まだまだ伸びしろは豊かそう。北欧ポップの歴史に新たな彩りを加えるであろう新鋭の登場だ。