〈表情豊かに生きる〉を鳴らすthe quiet roomらしく、1曲ごとに笑ったり泣いたり怒ったりと、表情がくるくる変わる。キラキラとした陽気なサウンドで、前向きな気持ちになれる“パレードは終わりさ”に、爽快な疾走感が溢れる“かずかぞえ”。まくし立ててくるような“Tansy”は、パステルカラーに投げ込まれた原色のようにパンチが強い。“夜中の電話”は、今作唯一のバラードで、〈胸の奥〉を切なく染め上げる。ミニ・アルバムの最後を彩る “話をしよう”は、とある曲の歌詞とのリンクに思わずニヤリ。1枚絵のように〈ピース〉がぴったりとはまる。ポップななかにある攻めたギターや、初めて取り入れたというピアノ・サウンドなど、音色の表情も豊か。日常の会話を切り取ったような言葉遣いは、聴いている人の心に親身に寄り添う。『White』のキャンバスに描かれた喜怒哀楽の感情が、〈退屈な日々〉にそっと色をつけてくれる。