今日は、友だちと遊んで楽しかったから黄色。仕事でミスして先輩に迷惑をかけたら青。家でひとりのんびりしたから緑。恋人と会うから、ピンク……いや、赤かな。感情や思いに色があるとしたら、今の自分が送る日々はどんな色彩になるのだろう。
〈日常〉が〈日常〉ではなくなってしまった日々を〈取り戻すのよ〉と言い切ってくれる“Leo (a new day)”から本作は幕開け。皮肉や弱さを吐きながらも、しっかりとした意思を感じる“ノンフィクションの日々に捧ぐ”は、鬱屈として灰色になりがちな日々さえも鮮やかにメロディーに乗せる。“(168)日のサマー”は〈常夏の楽園は また今年もお預けですか?〉と歌いつつ、ポップでトキメキ溢れるサマー・チューンに。アグレッシヴなデジタル・サウンドに、切れ味の鋭い言葉で〈さよなら〉と別れを告げる“Cut”、もう一緒にはいられない〈あなた〉を想うミディアム・バラードの“カフネ”と、それぞれ色合いの異なる楽曲が続く。そうして本作は、〈永遠の愛〉をテーマに描かれた、爽やかなラヴソングの“キャロラインの花束を”で大団円を迎える。〈この曲を贈ろう 君にだけわかるように/花束を贈ろう 君にだけわかるように〉。
色合いの異なる楽曲の中で、人と人が関わることで生まれる思い、幸せ、自らの決意、そして時にはやりきれなさまで、すべて丁寧にすくいとって瑞々しく描かれている。花束のかわりに、感情で彩られた色とりどりの日々を束ねて届けられたファースト・フル・アルバムだ。