ネオ・フォルクローレの古典(?)とも評される名盤『Tierra Que Anda』で知られるシルビア・イリオンドの新譜。昨年リリースされた前作『TIERRA SIN MAL』はカルロス・アギーレらが参加し、ジスモンチをして「大地の香りを感じさせる歌」と言わせしめたその声に多彩な色を添えた。今回、「声とギター」のデュオ、というと何やら先ごろ他界したジョアンを思わせるが、スペイン語のしっとりとした慕情にギターの響きに仕込まれたフォルクローレの高地の澄んだ空気と光が差し込む。作曲家にしてギタリストであるフアン・ファルーの高貴な、なんとも落ち着いた音の運びが心地いい。