みかんサイダーは東京で活動を続けるアコースティック・デュオだ。少年のような優しく透き通る声で真っ直ぐな想いを届ける松本千夏と、全てを包み込む大きな愛情を多様な声色で表現するかねこあきの2人が、初めて制作したアルバムがこの『DAYS』である。池袋の路上から始まり、MixChannelやYouTubeと舞台を広げながら音楽と向き合う日常をまとめたこの1枚は、彼女らの〈好き〉が溢れている。
影響を受けたクリエイターに捧げた“Jumping”から始まり、だらっと続く好きな人との時間を歌う”ナマケモノ”、苦しむ友に勇気を分け与える”納豆卵”と続く。前半の作品からは共同生活をしながら音楽制作を行っていた彼女らの笑み零れた日常が垣間見られる。後半は空気感が変わり、叶わないと気がついた恋を嘆く”君を見つけて”はかねこあきが、生きる意味を求め祈り続ける”願い”は松本千夏が、それぞれのソロ曲として言葉を紡ぐ。そして、再び2人で想いを込めた”Every night”では、心に秘めた感情を馳せる。
お互いの誕生日から名付けられた“810814”は、同じ夢に向かい2人で戦うと決心した未来志向の作品だ。2人の仲の良さや音楽を心から楽しんでいる姿を観てきたからこそ、この曲はみかんサイダーにとっても、おれんじゃーず(ファンの愛称)にとっても特別な1曲だと言えるだろう。〈二人で今 立ってるこの場所でも まだ見えない夢のステージ〉に彼女らが立ち、いつものように笑いながら音楽を響かせる未来が私も待ち遠しい。