シンガー・ソングライター、カノエラナが幼少期から敬愛してやまない〈アニメソング〉を厳選収録した待望のアニメソング・カヴァー・アルバム『「尊い」~解き放たれし二次元歌集~』。その中から本人解説と描き下ろしイラストをお届けします!

カノエラナ 「尊い」~解き放たれし二次元歌集~ 蔵前レコーズ/カベチョロ(2020)

第二記・カノエテキ「シリウス」記(TVアニメ「キルラキル」OP)

当時リアルタイムでは見ていなかったのですが、東京に上京して色んなアニメを見るようになり、アニメ三昧の毎日を送っていた私の元に突如嵐が吹き込んで来たのをビシバシ肌で感じたのがこのアニメでした。面白すぎます。話を大きく捉えると「人と服の話」。

アニメ初回の戦闘シーンでは、際どすぎるセーラー服に流子ちゃんがまだ慣れておらず、赤面しながら戦ってくれるので、流子ちゃんファンとしてはそれはもうにっこにっこしながら何回も見る羽目になりました。尊い。

漢字が多くて難しそうに見えますが、謎が解けてくると繊維のようにスルスルと紐解かれて行くのがとても気持ちいいので、ノンストップで全話一気に見ることをおすすめします。最終的に「なんてわかりやすいんだ!」となる不思議な作品です。

今回このカバーアルバムにこの曲を選んだ理由は、キルラキルが大好きであることともう一つ。藍井エイルさんの曲を絶対に歌いたかったからです。藍井エイルさんのアルバム『FRAGMENT』の中の7曲目“パズルテレパシー”という曲を作詞作曲として担当させて頂き、交流の中でエイルさんを知って、このアニソンカバーアルバムを出すことが決定した時、絶対にシリウスを歌いたいと一番に決めていました。“パズルテレパシー”の中には、実はシリウスのカケラも薄っすらですが混ぜています。気になる方は並べて聴いてみてください。

エイルさんの上に伸び上がる透き通る声が羨ましくて、カラオケで何度も真似して練習していましたが、私にはキーが高すぎて出ず……半端ねぇ……でも絶対歌いてぇ……という軽く執念すら感じる執着のもと、キーの変更という形でおさまりました。よかった。

キルラキルを全編見てからカノエバージョンを聴いていただくと、なるほど~こういう解釈をしたのね~なるほど~となると思うので是非お試しあれ。セーラー服派? ブレザー派? 私は断然、セーラー服派です。


カノエラナ プロフィール
佐賀県出身シンガーソングライター。2015年Twitterに30秒弾語り動画を初公開し、その後2年間で約100曲を公開。ネット上で大反響を呼び「30秒弾き語り動画の女王」と称される。無類のアニメ好きでストック曲の中にはアニメをモチーフにした楽曲もある。NHK Eテレ人気子供番組「みいつけた!」のEDテーマを書下ろし&コッシ―と歌唱を担当し話題に。今同世代を中心に支持を集める注目の女性アーティスト。