本書は若い音楽家に対し、ファン層の形成、プロフィールの書き方、ソーシャル・メディアの使い方、報酬など詳細に解説。ウィーンのコンツェルトハウスで数々の若い音楽家の演奏会を成功させた著者の経験が本書をすぐに役立つ指南書にしている。コロナ禍で多くの音楽家が様々なメディアを使い音楽を聴き手に届けようとする流れに拍車をかけた。この状況下、著者は音楽家の移動や大規模集客が困難な今こそ、若い音楽家は自分を聴きに来てくれる地域に根ざした熱心な聴き手を形成し、小規模でも新しい音楽を生むチャンスと指摘。読者が聴き手側ならば、その音楽を聴く柔軟な心を持つ必要を感じるだろう。